「やっぱり、行けないわ」
「どうして?君のエンジェルは幼馴染がお祝いをするのも駄目だというのかい?ずいぶん嫉妬深いんだなあ」
からかうような言い方にわたしはカチンときて、
「エンジェルはそんな方じゃないわ。嫉妬だなんて……!」
「じゃ、構わないだろう?」
「あのね、ラウル。そういうことじゃなくて、わたしはエンジェルへの献身を誓っていて……」
「それで、君は君の成功をすべて天使に捧げるのかい?」
どうにも、ラウルは引き下がるつもりはないようだった。
ふう、とわたしが困ったように首を傾けると、ラウルはにっこり笑って、
「行ってくれるよね?」
と目線を合わせてきた。
「わかったわ。でも、本当に遅くなるのは駄目なのよ。それでもいいかしら?」
「もちろんだよ」