前回の模様替え(あれ、私は確かドールハウスを作ろうとしていただけのはずなのだが……)から約三ヶ月経ちました。
大きさが大きさのため、なかなか全体の形が思い浮かばず、しばらく放置していたのですが、ようやくケースが完成しました。
今回のケース作成で何が大変だったかというと、何はなくともサイズ、です。
中途半端に大きすぎたのが原因。
売っている木材というのは大体規格が決まっているので、それを有効活用できる大きさで作るほうがやりやすく、またコストも小さくなるものです。
たとえば、私の作っているドールハウス。これ、横幅が約900mmあるのですが、これの幅をもう50mm狭くしていたら、長さが910mmの木材を買うだけで済んだのだ、ということをケースを作る段階で気がついたり。
910mmの次に大きいサイズは1820mmがほとんどです。たまーに1500mmとかもあるけど、それにしても木取りをするにはどちらも(1820も1500も)中途半端すぎました。
それに、910mmの横幅にあわせられたら、ケース、チェストの上に直置きできたんですよね……。
時系列無視して先に言ってしまいますが、ケース、チェストの横幅より大きいんですよ。それはすでにわかっていたことなのですし、それを踏まえてチェストと同じ高さで収納ボックス&本棚を作ったのですが……。
ケースの重みでボックスのふたがまったく開けられなくなったんですよね、これが(-_-;)
めったに開けるものではないけれど、いつ開ける事になるかわからない。なのに開けるためにはケースを移動させなくてはならない。今は中身がかなり少ないけれど、すべて完成した後なら、いくつもの家具の他、小物類もある……。
少し動かしただけでぐちゃぐちゃになるのが目に見えています。
なので、ケースは少しチェストから浮かさなくちゃいけないという結論になったのでした……。
ああ、めんど。
が、先にできあがってしまったものはしょうがない。ハウスにあわせてケースを作らないとどうしようもありません。
設計図を書いて木取り図を書いてホームセンターに材料を買いに行って、作製しました。
ケースの本体。
基本的な形は本棚と一緒です。材料も本棚の時と同じ、パイン集成材18mm。
これの特徴は、一番下の段が二段目、三段目より少し高さがあるということ。
なぜそうしたのかは後述します。
上の写真と違いがわかるでしょうか……?
今回は全体的に白く板を着色してみました。
白いといっても真っ白ではなく、木目は見えている白さです。
使用したものは水性ボアーステイン。
ペンキと違って傷や水などから板を守る機能はないため、この上に透明ニスを塗ってゆきます。
そして、今回はちょっと遊び心を入れてみようと思い立ち、絵を入れてみることにしました。
あ、これはニスを塗る前です。
こんな感じ。
本体側面両方にステンシルしてみました。
ちょっと分かりづらいですが、バラは黒。左右の四角いのは黒+焦げ茶のアクリル絵具を使っています。
しかしこれは苦労しました。
図案は図書館から借りたステンシルの本から探したのですが……都会などではどうかはしりませんが、春日の住んでいるあたりでは、もうステンシルの道具など売っているところは見当たらなかったのです。
今回は専用の染料ではなく、絵具を使うと最初から決めていたのでそれは問題なかったのですが、問題は型を作るためのシート……。
紙だと絵具でよれよれになってしまうだろう。マスキングテープを張って、色を塗りたいところを切り取る、ということも考えましたが、マスキングテープの幅では図案がでかすぎる。幅の分だけ重ね張りする、という方法も考えたけれど、手順が煩雑になりすぎるので、現実的ではないと思って却下しました。
そこで、ホームセンターに材料を買いにいった際に、0.5mm厚の塩ビ板を購入しました。これなら絵具が染みる事もなく、また透明なので作業がしやすいだろうと思ったのです。
が。
0.5mmといえばかなり薄いのですが、それでもカッターの刃が役に立たなかったのです(涙)
すーぐ刃が折れてしまいました。
や、カッターで切れる厚さではあるのですが、カッターで切り取るには今度は図柄が細かすぎたんですね。縁がぎざぎざになってしまって、駄目でした。
そこで、しょうがないので、比較的水分に強そうな紙(ちなみに漫画専用原稿用紙だ/笑)を使うことに。
……まあまあ使えましたが、やっぱり輪郭がちょっとにじんだりしました。
模様を描いた(というか、スポンジブラシで押し当てた、というのが正しい。筆だと筆跡がすごく目立ったので、それを使いました。あ、ちゃんと本体にやってみるまえに端材で試してみたんですよ)後はニス塗り三回。透明クリアー二回につや消しクリアー一回です。
完成した本体を乗っけてみました。
上がケース。下側左がチェスト。右が本棚です。
色、結構ちがうでしょ?
さあ本体ができあがりました。
しかしこれだけでは足りません。
私がケースに求めているのは収納よりも埃よけなのです。
収納するだけなら、市販のスチールパイプ組み合わせただけの棚でもいいんですから。これなら側面はないので、多少幅が小さくても置けるしね。
しかしシルバニアサイズのドールハウス、それに細々とおかれた家具やら小物やらに積もる埃を掃除するのはちょっと考えただけでも手間がかかることがわかるでしょう。
そこで、本体の前に扉をつけなくては、ということになってしまいました。
もちろん扉は、中身が見えないといけないので、一枚板を塗装してニス塗りすればいいというものでなく。
枠を作ってガラスをはめこまないといけないんですねー……。
……これも、ハウスがもっと小さかったら市販の額縁を使えたのにね(遠い目)
正直、ケースを作るので一番ひっかかっていた部分がこれです。
こういう、ガラスを使ったものの作り方や扱い方って、木工の本にはまず載ってないんですよね。扉つきのキャビネットの作り方が載っているものはありましたが、その扉は全部板のものでしたし。
ガラスというものを、窓ガラスなりなんなり、すでに加工されているものしか見たことがないのは、私だけではないと思います。
割れたらどうしよう。失敗したら怖い。というのが計画作成中、ずっと考えてきたことでした。
それにそもそもガラスって、ホームセンターでは売ってなかったりするんですよね。まあ、店と地域にもよるかもしれませんが……。で、どこで売ってるんだ?と。
まあ、ガラス屋さんで売っているんですけどね……。
ピンポイント過ぎて逆に思いつかなかったです(苦笑)。
ということで扉作り。
作り方は、日曜大工関係のサイトを探しまくって、これなら私でもできそう、というやりかたを選びました。
まず、扉の枠は三層構造になります。
一層目。外側、といえばいいかな。それをこのように組み立てます。
板の厚みは13mm。今回はホワイトパイン材を使います。
釘は使っていません。ボンドのみ使用。
ここではとりあえず側面同士を軽く固定できればいいと考えていたので、接着強度には拘っていません。
2層目。
外側の上に、幅を10mm短くした板を乗せています。
板はシナベニヤ4mmです。これは、3o厚のガラスを固定する部分になります。
板の継ぎ目を一層目と互い違いにして、ボンドで接着。二層目の板の横(脇?)はとくに何もしていません。しなくても全然平気です。
そして三層目。
二層目よりもさらに幅が狭い。そしてまた互い違いに乗せています。
三層目も一層目と同じホワイトパイン材です。
ボンドが乾いたら、軽く表面にやすりをかけて、塗装します。
このケース、ものとしてはしるばにあはうす用のケースですが、題材はオペラ座なので、普通にカントリー調やメルヘン調にするのでは、雰囲気が合わない、でもオペラ座色を強くしてはしるばにあのらぶりーさが台無しになる、ということで、落としどころに大変悩みましたが、枠を黒く塗ることで本体の優しい雰囲気を引き締めてみることにしました。
黒だけだとのぺーっとした印象だったので、白いラインを入れてみました。
本当はポイントになるような模様とか入れるつもりだったのですが、素敵デザインがまったく思いつかなかったので、下手に手をいれないことに。
ああ、デザインセンスがほしい……。
ちなみに白いラインはアクリル絵具です。
が、ニスを塗っている途中でちとラインによごれがぽちっとついているのに気がついて、やすりでこすって消そうと思ってこすってみたら、絵具が剥がれてしまって(!)そこにニスがついたものだから周辺がにじんでしまって、もうニスが付着しちゃったからこの上に絵具を乗せたらでこぼこになりそう、と軽くパニックを起こしてしまいました。で、どうしたかというと……白のポスターカラーを塗ってみたら、あんまり目立たなくなりました(笑)。
かように、DIYというものは、本人が納得しさえすればかなり気楽にできるものなのですね!(←そーか?)
さて、枠本体が完成した後、ガラスを買いました。
↑はもうガラスが入っています。
そして三層目にガラスを固定するための棒(?)を差し込みます。
三層目は、枠本体とくっついている分と、この固定棒分で一層目と同じ幅になるのです。
そして棒の横から本体側に向かって釘を打つ……。
この作業は怖かった!
なにしろ板の厚さは13mmしかないわけで、その真ん中あたりに釘を打つとなると、もうガラスぎりぎりのところでかなづち打たなくちゃいけないんですから。
いつうっかり割ってしまうかと思うと気が気ではありませんでした。
他にも、上から下に振り下ろすのではないので、力が入れにくく、縦方向に釘四本打つだけで三十分以上かかってしまいました。
ま、その後は慣れたので残り三方向は三十分かからずに終わったのですが^^;
そして枠が完成。
本体との間を蝶番で固定します。
さらに、勝手に開いたりしないよう、マグネットキャッチを取り付けました。
で、チェストの上に乗せて、完成!
ケースがチェストから浮いているのがわかるでしょうか?
これは、下にすのこを置いています。
一応、三方に黒く塗ったベニヤを打ち付けてはかまをはかせたので、見た目的には一体感はあります。
正面じゃないけど、正面図。
本当に正面からだと春日の姿が映ってしまうので、この角度。
二段目と三段目には後で居間部分と私室部分を作っておくつもりです。
が、まだできてないので代わりにこの高さに収まるものをいれてみました(笑)
というかね、本体の中身が軽いせいで、扉あけると本体が前に傾いてしまうんですよ……。
本気で危ない。ぬいぐるみとかじゃなく、本でもいれとこうかしら。
それと、この写真では目立ちませんが、扉作りの最後で、釘を打った棒のところにニスを塗ったのですが……。ガラスにニスが着かないように敷いておいた紙がくっついてしまって、それをむりやり取ったりしたから、黒い部分が剥がれたりとりきれなかった紙のカスが内側に残ったりと、かなり汚くなってしまいました。黒だから余計に目立つんだよね……。
家具用の傷隠しとかで直そうと思ったのですが、ガラスとすぐに接している角のところなので、うまくできず、しょうがなく……マジックペンで黒く塗ってごまかしましたorz
まあ、その時にはガラスにインクがつかないように、使い損ねた塩ビ板でカバーしたので、結果的に塩ビ板は無駄にはならなかったわけですが。
でもまだ汚い。ニス塗らなきゃ良かった。これだけが唯一の心残りです。
あ、書き忘れるところだった。
最初のほうで、一番下の段だけ二段目三段目より高さがある、としたのは、この枠のせいです。
枠の幅は四方とも50mm。一方本体に使った木材は厚さが18o。
で、できあがった本体に直にハウスをおくと、下3cmくらいが枠で隠れてしまうわけです。
ただの扉つき収納棚としてなら問題がないのですが、しるばにあサイズのドールハウスを置くとなると、その3cmが痛い。
Lなんて、身長約7cmですから、身体半分が隠れてしまうのです。
そこで、枠と高さを合わせるよう、上げ底をすることにしました。この上げ底分だけ、他の段より高くしたわけです。
本体の背板で使ったベニヤの余りに、これまた本体用パイン集成材の切れ端(でもちゃんとサイズ測ってカットしてもらった)ですのこ状のものを作ります。
これには塗装もなにもなし。枠とハウスで隠れるので、扉あけなきゃ見えませんし(笑)
正面から見ると、ちょうど枠に囲まれた形でハウスが見えます。
以上でドールハウスケース作りは終了です。
今後の予定は暑さが一段落した頃に、居間部分と私室部分を同時進行していこうと思っています。
次に作るものの目玉は……拷問部屋かな、やっぱ(笑)
今度は鏡をいじるのか〜。
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