わたしが選んだのは万年筆。
こういうものは実際に使ってみる必要があるものだし、すでにラウルは愛用のものを持っているのだろうとは思ったのだけど、青いエナメルのボディがとても綺麗で、ラウルに良く似合うと思ったのだ。

ラウルは器用にくるくるっと回すと、いたずらっぽくウインクをした。
「素敵な贈り物をありがとう。。僕たちの結婚証明書はこれで書くことにしよう」
「……ええっ!?」
話の飛躍についていけない……。
結婚証明書って、いきなり何を言い出すのかしら!?
「ほら、たしか結婚式のときには花嫁は古いものと新しいものと借りたものと青いものを身につけることになっているだろう?ちょうどいいじゃないか。式の間は君が持っているんだよ」
「わ、わたし、別にそこまで考えていたわけじゃ……!」
焦って赤くなったり青くなったりするわたしに、ラウルはあははっと笑った。
もう、ラウルったら!