『では明日、また同じ時間に』
「はいエンジェル、お待ちしております」
いつものお別れの言葉。
それからすうっとエンジェルがいなくなるのがわかる。
何の音もしないけど、楽屋に満ちるエンジェルの気配がなくなるのだ。
わたしはその間ずっと立って見送る。
寂しいと思うのはほんの束の間。
眠ってしまえば夢の中でエンジェルの音楽が聞こえるから……。
また明日。エンジェル。