「ええと……」

エンジェルのことを知りたいとは思ったけれど、勇気がでなくてわたしは口ごもるだけだった。

「その……」

姿は見えないけれど、エンジェルはわたしが話すのを待っている。

ああ、早く言わなくちゃ。

でも……

詮索好きな女の子だと、呆れられるのが、怖い。

「ごめんなさいエンジェル、何でもないんです」

『そうかね……?』

「はい」

エンジェルはそれ以上聞かなかったけれど、あの方は偉大な能力の持ち主だから、わたしの子供じみた考えなど見通しているのかもしれない。
わたしは恥ずかしくて、エンジェルが『また明日』と言ってくれるのを審判を待つような気持ちで待っていた。


「……はい」
『悩み事を、もし私に話す気になったなら、いつでも言うといい。私はお前の味方だ、

ああ……

「ありがとうございます。エンジェル」

こんなに大事にしてくれるエンジェルの期待に報いるのがわたしに出来ることだわ。
余計な詮索をしないで良かった。





(4):rosalia