NEW白鳥のローブ :アイテム

こういうものをヒロイン本人に作らせるあたり、わたしの設定の無茶さ加減というのがよくわかると思いますが、あの白鳥ローブはヒロインが一人前の巫女として認められるかどうかという時の試験で作ったものということになっています。本体はヒロイン嬢が糸を紡いで機を織り、裁断、縫製し、変身解除用のブローチは金属細工の得意な精霊に頼んで作ってもらいました。あれは作り方がどうとかではなく、素材そのものに力をこめてあるので、実際にはローブにしなくても身体を覆えるような形に仕立て上げればそれでいいんです。(例えば着物とかでもOK)まあ、糸を紡ぐのも機を織るのも昔は普通に一般家庭でも行われていたことなので難しくて絶対できないというものでもないでしょう。
ロスロリアンで新たに作り直したものは、糸自体はロリアンで普通に使われる絹とか麻みたいな素材をヒロイン嬢が念をこめながら(笑)紡いで、機織機を借りて自分で織り、裁断縫製はガラズリムの女性陣に手伝ってもらった、という感じで考えています。
それから作中で「殿方が関わってはいけない」というようなことを書きましたが、あれは「鶴の恩返し」みたいないわゆる「見るなの禁」が科せられているから、ということになっています。「〜しているところを見てはいけない」といわれたことを見てしまって、女が本来の世界に帰ってしまうというアレです。もっとも、ここのヒロイン嬢は見られたところで元の世界に帰れるわけではないので、実際には男に見られたときにはこっぴどく説教するくらいでしょうが。



「低い位置に枝がついていない、丈高いマルローン樹がある。君をそこのタランへ連れてゆく。君が故郷から持ってきたものも、君が作ったものも、何一つ持ち込ませない。普段は梯子をはずし、番人を置こう。これでも旅立てるというのか!?」 :オマージュ

このハルディアのセリフは、シンゴルがルシアンに対して行ったことをそのまま書きました。シンゴルの娘のルシアンは人間のベレンを愛するようになったのですが、シンゴルはそれが滅茶苦茶気に入らなくて、モルゴス(メルコールのこと)が持ってるシルマリルを取って来たらルシアンとの婚約を許すぞと言ったんです。もちろんシンゴルは絶対無理だと思ってそう言ったわけなんですが。で、モルゴスのとこに行ったベレンのピンチを察知したルシアンは地上のどこからも助けが来ないことに気付いて一人でベレンを助けに行こうとします。その時シンゴルはご注進を受けて大きなブナの木の樹幹の間に家を建てて、そこにルシアンを閉じ込めたんです。そして「シンゴルの召使がかの女の必要とするものを持ってくる時以外は、梯子も取外され、番人がつけられた」んです。
ベレンとルシアンの話は指輪の世界では有名ですから、ハルディアが知っていてもおかしくないわけで、それを承知でわざと言ったとも考えられますし、ただ単にそれが一番ヒロイン嬢を閉じ込めるのにいい案だと思って言ったとも考えられます。どうとるかは読んだ方の判断に任せますが、一応言っておきますと、閉じ込められたルシアンは魔法を使ってさっさと抜け出していたりします。



レンバス :アイテム (シルマリルの物語、指輪物語、終わらざりし物語)

レンバスは貯蔵するのも与えるのも王妃にのみ与えられた権限だとシルマリルの物語にはっきり書いているのでそうなんでしょう。ただ、これをレゴラスの母が知っているかどうかというと、ちょっと微妙だと思われる記述が終わらざりし物語に書いていました。

「わたしはと言えば、わたしはノルドール族、軋む氷の海峡をも切り抜けた者たちの同族を殺すにはよほど長い飢えと極寒の冬でなければなりませんよ。それにしても、塩からい荒野のごとき大海原の上での数えられぬほどの日々を、われらがどうやって生きてこられたとお思いです?それともあなたはエルフの行糧のことを聞いたことはありませんか?わたしはまだそれを持っているのです。船乗りは皆、万一のことがくるまで保存しておくのです」(上巻55頁)

これはヴォロンウェというエルフのセリフなのですが、彼がいう「軋む氷も切り抜けた」というのは、ノルドール族が一度中つ国から西に渡り、その後色々あって、一部がまた中つ国に戻ってきた時の旅の事を指しています。このセリフからレンバスというものは、西の地に渡った時にヴァラールなりマイアールなりに教わったことではないか、という推測が成り立ちます。レゴラスの母に関しては、ネットの海を徘徊してもまったく聞こえてこないところをみると、種族どころか指輪戦争時点で生きているかどうかもわからないんだと思いますが…。シンダールエルフならドリアスにいた頃にメリアンに教わった、ということも考えられますが、もしシルヴァンエルフとか緑のエルフとかだったりしたら、多分レンバスは作れないんじゃないかなあと思うんですが…。ってか、わたし、なに自分で自分の首絞めるようなこと書いてるんだろう(汗)



アルフィエル[Alphiel] :名前

シンダール語で「白鳥の乙女」という意味。せっかく指輪物語で夢を書くならエルフ語の一つも使いたいなあと思いましてパート2、それなら名前が一番簡単だろうと手持ちの指輪関係の本をひっくり返しました。「アルフィエル」という名前は索引関係で調べてもなかったので、コレなら大丈夫だろうと思ったのですが…その頃まだちゃんと読んでいなかったシルマリルの物語にガラドリエルの母のエアルウェンが白鳥乙女と呼ばれていたとい記述を見つけ、思わず天を仰ぎました。別のに変えようかなーとも思いましたが、きっとこの「白鳥乙女」ってのはクウェンヤ語の方だろうし、本名というわけでもないし、ヒロイン嬢の名付け親はガラドリエルなんだからいいか、とそのままにしました。
ちなみに、ヒロインの変身するのは白鳥は白鳥でも「Swan」ではなく「White bird」です。



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