あとがき   


終わりました。全五十一話、約一年十ヶ月かかった「白鳥天女」はこれで終わりになります。
…と書こうとしたところで夏ごろから不調になってきていたパソコンさんが勝手に再起動しやがりました。その直前には最終話の手直しをしておりまして、私はワードで書いてるんですが、あとがきも書く日はたいてい両方の作業をすべて終わらせてから保存をかけているのですが、今回は最後だしってんで、手直しを終えた時点で保存をかけたんですよ。
その直後に再起動…アブナカッタ。

それはさておき、今までも何度かオリジナルですが小説を書こうとしては挫折の連続でしたので、まさか書き終わるとは思っていなかったものが終わってしまい、正直複雑な心境です。
書いている最中に、以前書いたものを直したいと思うところがたくさんでてきました。
自分の表現力のつたなさに歯噛みしたことも、それゆえ妥協してしまったところもいっぱいあります。
苦労したことの最たるは、ヒロインがなかなかレゴラスを好きになってくれなかったことです。彼女はオリジナル小説のキャラクターでしたから性格が固まってしまっていたというのがそもそもの原因ですが、二十話目を書き終わった時点でまったくレゴラスを意識していなかったときにはどうしたものかと頭を抱えてしまいました。
それで、最終話を書き終えた今、やっぱり彼女はヴァロマが好きなままです。
ごめん、レゴラス。力不足でした。

白鳥天女を書き始めた頃、ラストは漠然と三種類くらい考えていました。
というより、ラストを思いついたので、そのどれを選ぶかは後で考えるとしてとりあえず書き始めてみようと思ったのです。
で、そのラストというのが、1つがヴァロマがヒロインを連れ帰ってそのまま終わりというもの。1つがヒロインは人間のままで、中つ国に残るのは許してもらえたものの、やがて年老いて死ぬというもの。そして1つが今回のラストでした。
どれを選んでも単純にハッピーエンドにはなりません。
でもどれを選んでも別れるときまでは二人は幸せに暮らしました、となる予定でした。
このラストにしても、ギムリとレゴラスの運命が原作から大きくかけ離れたので、私としてはそれが釈然としません。二人には西に渡ってほしかったんです。

それが理由でというわけではないですが、ネタが浮かんでしまいましたので、この後は番外編をいくつか書いた後、新連載を始めたいと思っています。
次の犠牲者…もといお相手はエオメルです。ヒロインは白鳥シリーズと基本的には同じですが、旅の仲間には混ざっていないので、白鳥天女とは交差しません。だからハルディアとかは出ないだろうなあ…。





それでは長々とお付き合いくださいまして、ありがとうございました!



2004年11月30日      春日夏月





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