「ごめんなさい……」
わたしの軽率な行動はエリックに消えない傷を作っていた。
責められても仕方がない。
だけど、ああそうだ。わたしがこの人を誘おうと思ったのは……。
「久しぶりに公園を歩いて、すごく気持ちが良かったんです。暖かい日差し、優しい風、緑の芝生は柔らかくて、花は色鮮やかで……」
「私は闇の住人だ。太陽になど用はない」
「あなたはこういうものを知っているのかしらって」
「…………」
「綺麗だったわ。光はとても綺麗。だけどあなたの闇にも抗いがたい魅力があるの。その闇だって光がなければ引き立ちはしないわ。闇しかなければ誰もそこにも美しいものがあるなんて気付かないもの」
言葉にしてようやく、自分が何を言いたかったのかわかった。
わたしはエリックに……惹かれているのだと。
それにラウルにも……。
優しい幼馴染と才能の豊かな師、二人の間で揺れ動いているわたしこそが最も醜い生き物だ。
わたしは姿見の前にひざまずき手を祈りの形に組んで彼の審判を待った。
「私は闇の住人だ」
エリックは天使のような声で告げた。
「私の領域は夜だ。今日の公演が終わったら出かける仕度を、。馬車を用意して待っていよう」
楽しみだわ…… 