一度目は無我夢中で、二度目は……変化した想いを乗せて。

ああ、わたしはやっぱりこの人のことが好きだったのだ。
どれほど恐ろしく忌まわしい過去を持っていようと、ラウルを殺そうとした人であっても。
わたしたちは音楽によって魂が結ばれている。

恋ではなく、愛でもない。
ただわたしたちはお互いを必要としていた。
それだけのこと。


エリック、あなたは一人じゃなかったわ。
気付かなかっただけで、あなたはすでにわたしを手に入れていたのよ。
ずっと前から。