―私のすべての愛を込めて―





◇   ◇   ◆   ◇   ◇





、いるのか……」
帰ってきたエリックに、わたしは飛びついた。
一瞬よろめいたが、彼はしっかりとわたしを抱きとめてくれた。
「ずいぶん熱烈なお出迎えだね?」
わたしは物をいうことができなくて、代わりに額を彼の胸にこすりつけ、すすり泣いた。
「……すまない、少々用事が手間取ったものだから」
わたしが泣いているのを一人で留守番をしていたせいだと誤解したらしく、彼は宥めるように髪をなでる。
「ち、違うの……」
しゃくりあげながら左手を見せる。
「ああ……」
彼の口元に笑みが広がった。
「いつ気付いてくれるかと思ったよ。薄情なお嬢さんはもうオルゴールには興味がないのかと思い始めたところだった」
「だ、だって、忙しかったんですもの」
エリックはわたしの手を取ると指輪のはまっている指に口付けを落とした。
顔を上げると彼は力のこもった眼差しでわたしを見詰める。
。私の気持ちはわかってもらえていると思っているし、お前の気持ちも……私と同じだと信じている。だがこういうことは言葉にすることが必要なのだろうね。、愛している。どうか私と結婚してほしい」
エリックの手は震えている。
わたしも震えていたが、ちゃんと伝わるように頷いた。
「はい」





     




BGM by (Lyra Orphean harp)