妄想がいっぱい : あとがき


今回は伏線はあんまりない(はず)ですけど、そのかわりに補足しなくてはいけない妄想設定がいくつかあります。

・エオメルとエオウィンのお仕事について

エオメルとエオウィンはアルドブルグで生まれ、両親が亡くなったためにエドラスに移りました。このアルドブルグというところは、元はエオル王が館を構えていた地で、エオルの息子ブレゴがエドラスに移った後にブレゴの三男エオフォールに譲られたと終わらざりし物語にあります。エオメルの父エオムンドはエオフォールの家系なのです。
アルドブルクがある土地一帯の名を谷地というのですが、この谷地自体は王の土地の一部(直轄領ということか?)と書いているので、エオムンドは領主ではなく、城代になるのだと推察しています。
ここから先は私の推測なのですが、こういう経緯があるとなると、エオムンドが死んだとしてもその総領はエオメルのはずです。子供の間はともかく、成人してからのエオメルはアルドブルグ城代としてそちらに戻ったのではないかと思うのです。軍団長となってからは、アルドブルグ自体が東エムネトの本陣ですのでそっちにいる機会が多くなるでしょうし、その方が自然かと。で、エドラスには定期報告とか会議があるたびに行くという形で。
んで、エオウィンはというと。セオデンの奥さんがセオドレド出産時に亡くなっていますし、追補編にその後セオデンは再婚しなかった、とありますのでマーク第一の女性として宮廷を仕切らなくてはならないのではないかなあ、と考えました(もちろん成人してからの話ですが)。
ただね、すごく引っかかってることがありまして、原作の二つの塔、ヘルム峡谷に出発する前のやりとりでこんなことがあったじゃないですか。
セオドレドが死に、エオメルも戦争に行かなくてはならない以上、残される民を統治するのは誰にするのかというセオデンの呼びかけに、

〜引用はじめ〜文庫版二つの塔上2 48項

「エオル王家の方を。」とハマは答えました。
「だがエオメルを置いて行くわけにはいかぬ。第一かれは留まろうとするまい。」と王はいいました。「そしてかれは王家の最後の者じゃ。」

〜引用終わり〜

とね。
セオドレドが死んだ以上、次にセオデンに近い人物(この場合は男に限るのだろうな)が次の後継者に指名されるのはわかります。それにエオメルもエオウィンもセオデンにとって我が子も同然ですし、別にこれはいいんですが、引っかかってるのは「エオル王家最後の者」がエオメルとエオウィンだけというのがわからん。
だって追補編に、セオデンには姉が1人、妹が3人いるって書いてるんですよ(そのうちの一番下の妹がセオドウィンです)。姉については亡くなってる可能性がありますし、セオドウィンは既に亡くなってるわけですが、残る二人は生きてるんじゃないでしょうか。よしんば、亡くなってるとしても、彼女たちにも子供はいたのではないでしょうか?その彼らだか彼女たちはエオル王家の一員ではないんでしょうか。ローハン国外のどこかにお嫁にいったとか、彼女たちの子供も既に死んでたとか?そういうことでもない限り、エオル王家最後の人間がエオメルとエオウィンだけというのに納得いかないです。
この辺詳しい方いらっしゃいましたら、教えていただければ幸いです。



・馬のこと

飛蔭の毛の色は銀色です。間違ってないです。
でも勝手に走り回ってるとか子供がいるとかわがまま三昧してるとかは捏造です。
ブレゴや火の足にメアラスの血が混ざってるというのも勝手に決めました。メアラスの血が混じってる馬は丈夫で足が速くて寿命がながいとかいうのもそうです。
てか、王しか乗せないというメアラスはやっぱり王子様は乗せてくれないんですかね。未来の王様じゃ駄目なのかどうか、その辺も知りたいなあ。
ところでガンダルフが西に渡ったあと、飛蔭はどうしたんだろう。まさか一緒に行ったりはしないだろうけど、王様になったエオメルを乗せたりはしたのかなあ。ガンダルフじゃなきゃいやなのかなあ。
ところで、伯楽は別に解説しなくてもいいですよね?




そうそう : 補足追加

白鳥の方にも一度書きましたが、ローハン話を書いているのでもういちどおさらいしますと、エオレドというのは最低120人からなる王の供廻りをのぞく全マーク召集騎馬軍の百分の一という規定があります。最低120人ですから通常はもっと多いのでしょうが、面倒くさいので120人で統一します。のでエオレドが半分しかいないという表現の場合は60人くらいだと考えていただければ。




あ、それと : ベーオウルフ

第3話あとがきで、手ごろな値段でまともな訳のベーオウルフがないと嘆いていましたが、再販かかってましたー!
んで買いました。チェックしました。
ヒュイドはベーオウルフの伯父の後妻で、伯父が亡くなった後にはベーオウルフの奥さんになった人です。


ブックデータ
「ベーオウルフ」
忍足欣四郎 訳
岩波文庫
760円






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