あとがき
セオドレドの墓って、実際はどうなったんでしょうか。
疑問でしょうがないのですが。
えと、原作では浅瀬にある塚は大きいのが一つだけです。
セオドレドのみが埋葬されている塚は、春日が勝手に設定したの。
時間軸を整理してみると、セオドレドが死亡した浅瀬での合戦は2月の25日で、この時の合戦では、アイゼンガルド軍はセオドレド殺害が主目的だったため、オークたちはその目的を果たした後は割りとあっさりと撤退してます。
それから一週間ほど経って、3月の2日から3日にかけての夜に二度目の合戦が起こります。
このときまでの間は浅瀬に見張りはいたでしょうし、一週間あれば、墓は充分作れるはずです。
でも遺骸はエドラスに送られた様子はないし、角笛城のどこかに埋められたわけでもなさそう。
単純に考えれば、ガンダルフが「この場所の近くで討ち死にしたマークの人間たちが全員ここに眠っておる」と言ってましたから、例の大きな塚に一緒に埋められているのかもしれない。
何しろ、ガンダルフたち(たち、ってのは、ガンダルフがセオデンたちと別行動したのは、二度目の合戦の後で戻っていない騎士たちを探すのが主な理由だったからです。みつけた者のうちの一部とこの埋葬作業を行い、他はエドラスが丸裸なのでそっちに送り返したのと、角笛城への援軍組に別けました。エルフヘルムはこの時にエドラスに戻ってます)がこの塚を作ったのは、オーク軍がすでに角笛城に向かったあとなので、最初の合戦の時に浅瀬に塚が作られたとしても、踏み荒らされた可能性が高い。
それからさらに二度目の合戦の時の死亡者を集めて…ということだろうから、状況を考えるとセオドレド、一般兵と一緒くたにされた可能性はある。
が…。
仮にも世継だし、それはあんまりだよな…。
ハマですら分葬されてるのに、王子様のセオドレドが十把一絡げってのはないよなー。
や、個人的に、セオドレドが浅瀬に埋葬されたということ自体は構わないんです。
セオドレドの遺言は「ここにわたしを寝かせておいてくれ――エオメルが来るまで浅瀬を確保するために」です。
英雄譚におけるこういった遺言は誓いなどと同じで強い力(拘束力)を持つものだと相場が決まっています。
だから「ここに残してくれ」とセオドレドが言い残した以上、彼は浅瀬に埋められたのだと春日は思う。
概念としては、アイゼンの浅瀬にはセオドレドという守護者がついた、ということにもなるでしょう。
と言っても、彼が亡霊として浅瀬をさ迷っているというわけではないですので、念のため。
で、まあ、それはいいんだ。
しかし彼専用の塚がないというのはどうにも納得がいかない。
そこんとこどうなんですか、トールキン教授〜。
……。
映画版はエドラスで死亡してるから、あれはあれで良いです。
あの時点でエオメルが浅瀬にいってるのがものすごく不自然だとしても。
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