1911年1月7日(土)
    さっそく行ってきた。

    半年ぶりに会ったが、ジュディは少し大人っぽくなったように思う。

    だがまだ中身は子供で、彼女は私の顔を見るなり「ジャーヴィー坊ちゃん!」と叫んだのだ。

    今回は大学構内を歩き回るのではなく、冬でもあることだし、室内で話をしようと思っていたのだが。

    ところが、女子大学というのはこういうことにはとても厳格で、私はそのことを甘く見ていたようだ。

    ジュディたちの書斎でお茶を飲むということだけのために、ジュリアは私が真実、叔父であることを公証人の

   前で誓わされた上に、郡役所書記の証明書を交付してもらわなければならなかったのだ。

    それはずいぶん手間のかかったことだが、まあ、とりあえず許可は出たのだから良いとしよう。

    今回はマクブライド嬢もいて(そういえば、手紙でよく彼女のことは書かれていたし、ジュディたちと一緒に写って
   いる写真も送られてきたからすっかり知人のような気でいたが、マクブライド嬢に会ったのはこれが初めてだ)、

   最近のことでもあるのだし、クリスマス休暇のことを何気なく訊ねてみたりもした。

    結果としては、時に心配するほどのことでもなかったのだが、やはり確かめてみて良かったと思う。

    ジュディの手紙が来て、そして今日、会いに行くまでの間、何だか妙に胸がもやもやして仕方がなかったのだ。

    今はもうすっかり落ち着いている。

    これは、あれだろう。世の父親が娘に恋人ができるかもしれないと心配する気持ちのようなものなのだろう。

    何しろ、私はジュディの後見人だ。ということは、親代わりのようなものなのだから。

    ああ、それにしても今日は楽しかった。

    ジュディとはロック・ウィローの話をたくさんしたのだ。

    それだけで時間があっという間に過ぎてしまった。

    彼女は話をするのが洗練されているという訳ではないが、とても上手なのでジュディと話していると私はすっかり

   リラックスしてしまうのだ。

    少なくとも、普段の自分は人前であんなに自然にニコニコしていないと思う。
    身内であるジュリアが怪訝な表情をしていたのだから、まあ、相当だったのだろう。

    鏡に映してはいないので、どんな顔になっていたのかまではわからないが。

    

    それから、帰ってきてからとてもいいことを思いついたのだ。

    今年の夏もロック・ウィローにジュディを招待するのだ。

    私は今年も旅行をするだろうから、その途中に寄れば、久しぶりにロック・ウィローに行けるし、ジュディにも会え

  るということになる。

    うん、いい考えだ。

    これで当面の楽しみは増えたというものだ。




















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