1913年7月26日(土)
     ジュディから手紙が届いた。

     彼女の敬愛が相変わらずスミス氏に向けられているようなので、あれはあのままにしておくことにする。

     もうすでにジミー・マクブライドが彼女に会いにいったようだ。仕事のついでのような書かれ方だが、かの地

    を優先的に回ったのは、ジュディがいるからに違いないと確信している。

     姑息な手段だが、有効だというのは、彼女がそのことを少しも嫌なことだと思っていないことからして明らかだ。

     その一方で、ジュディは彼には金融業者には向いていないと冷静に判断をしてもいるが。

     そのまま故郷に帰ってくれれば、私としても嬉しい。

     彼が出張としょうしてちょくちょくロック・ウィローへ行けば、それだけ水をあけられてしまうではないか。

     まったく、こっちがそうそう会いに行けないのをいいことに…。


     ジミーの件とは別に、こちらが不安になるようなことも書いてあった。

     長年センプル家に住み込みで働いていたキャリーとアマサイが結婚したということだ。

     それで、その二人は夫婦になる前より仲が悪くなっており、そのことで彼女はどうやら結婚に対して希望を

    なくしてしまったようなのだ。

     考えてみれば、彼女は孤児院育ちで、親戚や近所のお兄さん、お姉さんなどというものとも縁がない。その後

    は大学に入学したのだから、もしかしたらこれが初めて遭遇した「身近な人が結婚をした」例なのかもしれない。

     それが上手くいっていない様子であるのなら、結婚に対して良いイメージを持てなくても不思議はない。

     キャリー、アマサイ、どうしてこんなときに結婚などしたのだ…!

     いや、するならするで、どうして仲良くしてくれないんだ…!

     ロック・ウィローに着いたら、説教の一つもくれてやるから、覚悟しておけよ!

     ああそうとも、私はもうじきロック・ウィローへ行くのだ。

     そしてジュディにプロポーズをする。

     ああ、こうして文字にするだけでも心臓が飛び出しそうだ!











  
























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