ぼんやりとした明かりの向こうに、人影が見えた。
前にも、横にも。背後を見やれば、きっとそこにもいるのだろう。
「わぁ……」
後ろでがため息混じりに小さく声をかけた。
「なんだか、不思議な雰囲気ね」
「そうだね」
私はランプを彼女に預けると、早速作業を開始した。うっかりすると見落としてしまうほどの小さなバネを探して押す。
カチリと音がして床が開いた。再び彼女の手を取り、階段を降りる。
床下貯蔵庫を通り抜けて階段を上れば、そこはキッチンの隣にあるボイラー室だった。
「あ、ここに出るんだ」
見慣れた場所に安心したのだろう。ほっとしたように彼女の顔がほころぶ。
「そうだ。しかし乾燥室に入るには飛び降りねばならんし、バネを見つけるのも難しかろう。私がいない時にはこの通路は使わないほうがいいな」
「ええ、そうね」
☆ ☆ ★ ☆ ☆
キッチンを通るついでに、コーヒーの準備をした。
作業の邪魔になる帽子と上着は彼女に預ける。数分して用意ができると、カップや焼き菓子を盆に載せ、居間に入った。
彼女はすでに外出着から室内着に着替えており、ブーツも脱いでサンダルに履き替えていた。テーブルに載っているものを簡単に片付けていたので、空いたところに盆を置く。
一口飲むと、ようやく我が家に戻ってこられたのだという安心感で身体の力が抜ける。
(まったく、よりにもよって奈落にいるなど……)
いつものようにオペラ座を巡回している途中、を見かけたのだ。こういうことは最近よくあるのだが、彼女が一人でいるか、近くにいるのがマダム・ジリーくらいでなければ声をかけることができないため、一緒に帰れる回数はさほどない。
外を歩き回って私の知らないうちに危険に巻き込まれたり、どこかの男に目をつけられたりするよりは、オペラ座の中にいてくれた方が私も安心できると放っておいたのだが、しかし今日彼女がいた場所は、私の眉を顰めさせるには充分なところで、周囲に誰もいないことを知っていた私はすぐさま彼女を連れ帰ったのだった。
というのも、彼女は舞台下の奈落にいたのだ。大小様々な滑車やロープの束、その他にも蹴躓きそうなものがたくさんあり、しかも薄暗い。不慣れな者が迷い込んだら簡単に事故が起きてしまうだろう。彼女の手を引きながら我が家へと帰る道中、私は懇々と説教をし、二度とあそこへは近付かないように約束させた。
そういうことで、
が乾燥室へ出る隠し通路を使うことは、実際には二度とないだろう――そうであることを願う――。この通路は舞台付近から家へ戻る時に近道として使用されるもので、私自身も普段はあまり使わないのだ。今日は大回りをするのが面倒くさかったのでこうして使ったのだが。
はコーヒーを飲みながらちらちらと私を見ているようだった。怒られたのを気にしているのだろうか。
「ねえ、エリック、聞いてもいい?」
「なんだね」
私は、もう怒っていないということを示すために優しい口調で言った。
それで安心したのか、彼女は思い切ったように口を開く。
「わたしを見つけたのって、本当に奈落でだったの?」
何を聞くのかと思えばそんなことか。
「ああ、そうだが?」
「本当に?」
「お前に嘘は言わんよ」
は赤くなって絶句した。まったく、可愛いことだ。
しかし、何がそんなに気になるのだ? 彼女は奈落を見学しに行く前はマダム・ジリーのところにいたというが。というよりも、マダムのところでおしゃべりをしようとしていたのだが、用があるとかですぐ一人になってしまい、仕方がないのでまだオペラ座の中で見たことのない場所――奈落――へ行ってみたのだというが。
「私の悪口でも言っていたのかね」
試しに聞いてみた。オペラ座の女たちの話を聞いていると、そのほとんどが愚痴、悪口、皮肉、揶揄と言ったものの類なのだ。自慢話や追従はあるが、心の底から他人を褒めるような話はほとんど聞かない。は私を愛しているし、上手くやっているとは思っているが、それでも私に知られたくない不満があるのかもしれなかった。
という思いもあったのだが、は勢いよく頭を振り、
「それだけは絶対に違う!」
と否定した。
嬉しい。
「では、何を?」
訊ねると彼女の視線は空を泳ぎ、頬はますます赤くなる。
……分からん。男には聞かせられないようなことだろうか。まあ、それならそれでも構わないが。話していた相手はマダム・ジリーなのだから、あまり馬鹿なことも言わないだろう。
「ねえ、エリック」
「うん?」
「あのね、えーと……」
どうしたんだ?
歯切れの悪い彼女に、私は首を傾げた。
「あのね、答えたくなかったら答えなくてもいいんだけど……」
「なんだい」
「どうして、マダム・ジリーはエリックのお手伝いをしている、の、かな……?」
「それをマダムに聞いていたのかね?」
「聞きたかったけれど……もしかしたらそれを聞くのは無神経なことなのかもしれないと思って」
はカップに視線を落とす。結局、聞くことはできなかったということか。
「無神経?」
なぜそう思うのか理解できない。まあ、好奇心が強いというのは褒められたことではないが、無神経とはこの場合少し違うように思う。
は上目遣いで私を見上げた。
「だって、マダムとエリックの接点がわからないんだもの。カーンさんのように昔からの知り合いというわけでもないし、ベルナールさんのように、その……脅しているわけでもなさそうだし」
彼女は申しわけなさそうな表情になった。事実なので、私は軽く肩をすくめてみせるに留まる。
「エリックはオペラ座の人たちには幽霊だと思われているんだから、エリックの方からマダムに声をかけたんじゃないかなって思ったの。その逆は難しいと思う。マダムは鋭いところのある人だけど、エリックの腹話術を聞いただけで、それが生きている人間だと結論付けられるとは思えないのよ。だって、他にもたくさんいるんでしょう? 幽霊の声を聞いたことのある人は」
大体当たっている。私は彼女の推測を楽しんで聞いた。
「でも、だからってエリックがマダムを何らかの理由で利用したいと思っていたとしても、正体を明かす必要はないように思うの。支配人たちにしているように、幽霊だと思わせたほうが安全だもの。生身の人間だと知られたら、警察に通報されるかもしれないし。そうでなくても偉い人と交流がありそうだから、何らかの手を打ってくる可能性はあるわけじゃない」
その通りだ。私が肯定を示して頷くと、彼女は小さく息を吐いた。
「だから……だからエリックは、マダム・ジリーには幽霊だと思われたくなかったんじゃないかと思ったの。……綺麗な人だもんね、マダムは」
どうしていきなりマダムは美人だ、などという話が出てくるのだろうか。いや、確かに美しいとは思うが。しかし、話のつながりが見えないな……。女の思考回路とは、実に不可解なものだ。
「マダムは自分で私が幽霊ではないと気付いたのだし、警察に通報するのではなく私に協力してくれるようになったのは、彼女の野望を達成するのに私が役に立つと考えたからだ。私も、支配人に手紙で脅迫するだけではなく、それとなく私の考えを薦めてくれる人材がほしかったのでね。ベルナールではそれは無理だったからな。私たちの関係は、こういう非常にわかりやすい利害の一致をみたからだ。何も難しいことなどない」
「マダムの、野望……?」
ぱちくりとは瞬いた。
「ああ。彼女は実に野心家だ。だからこそ安心していられる。その目的を果たすまでは、私の正体を明かしたりしないだろうからね」
私はにやりと笑った。
「もっとも、もし彼女がそんなことをしたら、私も彼女が幽霊と手を組んでいたということをバラすが……。そうなったら元エトワールで現在でもオペラ座のバレエ教師をしている彼女には大打撃だ。職を失うどころか、牢獄入りになるだろうな」
話しながらも思い出してしまった。
マダムと出会った時のことを……。
☆ ☆ ★ ☆ ☆
私がこの地下屋敷に住み始めたのは、オペラ座が完成する数年前からのことだった。
そして長い時を経てとうとう出来上がったオペラ座で私が最初にしたのは、誰にも邪魔されることなく内部を愛でて回ることだった。
そしてその次に行ったのは、関係者の顔と名前を覚えること。
マダム・ジリーもその一人だった。
元オペラ座バレエ団の一員で、最終クラスはエトワールのバレエ教師。娘が一人。指導者としては優秀だが熱心で厳しく、容赦がない。
これが私のマダム・ジリー評だった。もともと私はオペラに比べればバレエにはさほど興味がなかったので、このような人物がいる、というくらいにしか認識していなかった。しかし寄ると触るとすぐに騒ぎ出す少女たちを一声で黙らせることができるので、その点とても有能な人だと思っていた。
その彼女と個人的な接触を持ったのは、オペラ座が完成して一年も経たない頃。私の作戦が功を奏して、若い娘たちを中心にオペラ座には幽霊がいる、との認識が定着しつつあった。
その日私は、作曲などをする気分になれないときの常で、ただなんとなくオペラ座へ出かけていったのだ。公演がないということも知っていたので、人気がなくともなんとも思わなかった。
ただ、これならば隠し通路を出ても大丈夫だろう、万が一見つかって追いかけられたりしても隠れる余裕はあるだろうという思いから、私は影から身を躍らせた。
磨かれた大理石の床、光沢を放つ彫像、なだらかな曲線で構成された大階段……。私は可愛いわが子であるオペラ座をゆったりと歩き回った。
満足するまであちこち見て周り、多少の疲れを感じた私は家に帰ることにした。関係者以外は本来立ち入ってはならないという区域に当たり前のように入り、窓がないため薄暗くなっている廊下を歩いていると、誰かが近付いていることを示す足音が聞こえた。
私は一番近くにある隠し通路への入り口へ足を速め、間一髪で間に合うことができた。しかし、姿を見られてしまったらしく、足音の主は立ち止まる。私は廊下をそっと眺めた。そこにいたのがマダム・ジリーだった。バレエの練習をするつもりだったのだろう、手にはトゥ・シューズを持っていた。
隠し通路への入り口は、仕掛けを作動させないと動かない。ましてや、眺めているだけでは気づくことはできないだろう。マダムは自分が見たと思ったものが目の錯覚だと思ったらしく、釈然としていなさそうではあるが、くるりと踵を返した。そして、
「きっと、オペラ座の幽霊でも通りかかったのね」
と呟いた。
機嫌が良かった私は、期待には答えねばなるまいと、面白がって返事をした。
私の声を聞くや否や、彼女は呆然と持っていたものを落とし、無言のまま足早に立ち去っていった。少々驚かせすぎたようだと思ったが、あの「幽霊話などイギリス人に任せておけ」が持論の女性が、今後どう変化するのかは興味があった。もしも彼女が幽霊を見たのだと吹聴するようになれば、噂に信憑性が増すだろう。支配人たちはさらに恐怖を募らせ、小娘どもは面白がり、結果として『私の仕事』は今以上に容易になるに違いない。
帰り道の途中でもあったので、彼女の落としていったものを彼女の部屋へ届けたのだが、それは親切心からだけではなく、そうすることで彼女がますます幽霊の存在を信じざるを得ないと思うだろうと考えてのことだった。
案の定、彼女は翌日練習生の少女たちが困惑するほど指導に身が入っていなかった。しかし幽霊のことは一言も口にしなかったので、期待していた私は当てが外れてがっかりした。
予想外のことが起きたのは、その日のうちだった。
彼女はなにやら手紙を書きつけると、それを私のボックス席へと置いた。不審に思った私は、彼女がいなくなるとすぐにそれを開封してみた。
中には幽霊へ宛てて、落し物を拾ってくれた礼が書かれてあった。
この時の複雑な気分は、説明することが難しい。これが本心からの感謝なのか、皮肉なのか……。
何しろ、私が落し物を拾ったのは私が彼女を脅かしたからなのだ。しかし間接的にとはいえ、礼を言われたことがこれまでの人生でほとんどなかった私としては……この手紙を無視することができなかった。
それで返事を書いた。
妙な気分だったが、それもこれで終わりだろうと思っていたので、気は楽だった。
ところが、私の予想は再び外れた。
これこそが始まりだったのだ。
☆ ☆ ★ ☆ ☆
手紙の返事を書いてから四日後だったと思う。
その日も何となくオペラ座へ行き、支配人の動向を少々見物した。たいした動きもなくてすぐに飽きた私は、いつもの時間つぶしをしてから帰ろうと私のボックス席へ向かった。
私はオペラを愛好してやまないが、オペラを鑑賞することが何よりも好きだというわけではない。
舞台は生身の人間が作り上げるもの。そこには虚栄や駆け引きがある。
自身の人気にあぐらをかいている歌姫。パトロンの金で地位を買った実力のないバレリーナ。目立つために調和を無視してやたらと声を張り上げるコーラス。音を外す練習不足のオーケストラ。古臭さを伝統だと履き違えている作曲家に演出家。他にもあげればきりがない。
見るに値する舞台というのは、実際にはそれほどあるわけではないのだ。
私は誰もいない時間帯に誰もいない舞台を眺め、そこで上演される幻のオペラを夢想する。
完璧な音楽。完璧な歌い手。完璧な踊り子。……完璧な舞台!
それこそが私の欲するものだった。
いつか、己の手でそれを実現できたらどれだけ良いだろう。
しかし悲しいかな、幽霊の身分では不可能だった。支配人たちは私の手の平で踊っている。ために、正体不明の作曲家の作品を新作として公開することはできるだろう。しかし私自身の手で指導せずには、それは凡百の作品と同じような末路を迎えるだけだ。
完璧な舞台など、夢のまた夢。
それを知っているからこそ、私は夢のオペラを夢のままにしてきた。
だがその日、私のボックス席には先客がいたのだ。明かりもつけずにいたので、人の気配に気付かなければ鉢合わせをしていたことだろう。間一髪で私は危機を回避することができた。
先客はマダム・ジリーだった。
手紙のことといい、こうして私のボックスにいることといい、彼女には少し変わったところがあると思った。しかしその意図がわからなかったため、私は途方に暮れた。
ここにいるということは、何か私に――この席が幽霊のボックスだと噂されていることは知っている――用でもあるのだろうか。
(ふむ……)
どう対応するか逡巡したが、彼女の目的がわからない以上うかつなことはできなかった。
私の正体を探るべく、動き出しているとしたらやっかいでもある。
(しかし正体がバレさえしなければ構うまい)
彼女に私の仕掛けがわかるはずがない。
軽率にも私はそう考えた。
そして私はマダム・ジリーに話しかけた。
それは、予想に反して非常に楽しい時間となった。
オペラ座に住むようになって、いや、これまでの人生の中でもこれほど有意義な話をできた相手もいまい。
現役のバレエ教師であるのでバレエに詳しいのはもちろんのこと、間近で接しているため、オペラにも詳しい。
私は建築に関して意見を交わすことのできる相手がいたことはある。
しかし音楽に関しては、初めてだったのだ。
だからこそ、彼女がバレエ教師ではなく、音楽監督でなかったことを残念に思った。彼女が音楽監督だったら、特に脅すこともなく、これまで以上にオーケストラや歌手のレベルを上げるような練習法を模索することもできただろうに。それは私の夢のオペラを実現する一歩にもなりうるのだ。
だが、終わりはあっけないものだった。
喧嘩別れをしたのだ。いや、喧嘩などと言ってはマダム・ジリーに失礼か。一方的に私が腹を立てて帰ってしまったのだから。
彼女に罪はない。
私は『見えない存在』なのだから、あの会話で立腹するなど、マダムには思いもつかないことなのだ。むしろ、私が苛立ったことに困惑しているだろう。
私も頭が冷えてから、自分の短気さにあきれ果てる思いだった。せっかく貴重な会話相手になりそうだったに、と。
自己嫌悪でそれから数日はオペラ座へ行く気にはなれなかった。マダム・ジリーの行動範囲は大体把握しているが、それでもどこかでふいに姿を見てしまうかもしれない。そんなことになったら、未練たらしく声をかけてしまうかもしれなかった。闇の内に隠れ住まう私に、感傷はご法度だ。どこで足をすくわれるかわからない。危険は避けるべきなのだ。
そして数日が過ぎ、さらに十日が過ぎて、いつしか半月が経ってしまった。
その間は実験をし、読書をしつつ、時折作曲をし、楽しみのためにヴァイオリンを奏で、そのうち外出しない理由を忘れることが多くなった。音楽に対する欲求が大きくなり、久々にオペラを聞いて見たいと思うようになる。
そして盛装した私は、自分がしばらくそこへ寄り付かなかった理由をふと思い出した。
だが、何も感じなかった。
人とのつながりなど、私には縁のないもの。期待などするだけ無駄だ。こうして時間を置けば、ほら、すべて元通りになるのだ。
☆ ☆ ★ ☆ ☆
確かに、すべて元通りになっていた。
ある意味では。
しかし時間を少々巻き戻し過ぎたきらいはある。
それというのも、手紙が私のボックス席にまた置かれてあったのだ。
差出人は、今度もマダム・ジリーだろう。封筒の隅に小さくイニシアルが書いてあったのだ。
OのF宛に書かれていたその手紙を、反射的に開封する。そしてしまったと内心舌打ちをした。
私が手紙を読んだことを、彼女に悟られてしまう。
あの慎重なマダム・ジリーのことだ。誰にも見られないようにこの手紙を置いていたのだろう。ならば、その手紙がなくなったか開封されていたら、私が読んだということだと、彼女は考えるに違いない。
できればもう接触はしたくなかった。あまりにも危険すぎる。こうして手紙が来たことで未練を覚えたとしても……。
それでも中に何と書かれているのかを知りたくて、私は便箋を取り出した。
そこには、率直な言葉が並んでいた。
私が気に障るようなことをうかつに言ってしまったことへの詫び。
しかし、自分には私――幽霊――の姿が見えないのだから、不可抗力であるという弁明。
それからもし幽霊氏さえ良ければ、姿を現してほしい、という要請。
その場合は顔や身体が透けていても、驚かないよう努力するという誓い。
しかし、自分はやはり手紙を書ける幽霊などいるとは思えないので、幽霊氏は生きている人間ではないか考えているという疑念。
そして……。
正体など同でもよい。自分は幽霊氏と話していて有意義であった。
できれば今後も度々会って―声だけでも―議論を交わしたいという願い。
私の心は揺れた。
しかし何よりも私を揺さぶったのは、彼女が執拗に私と接触を持とうとしたその目的についてだった。
『わたくしはオペラ座のバレエ団を技術において、表現において、また必要不可欠なる音楽においても、さらに磨きをかけてゆきたいと願っています。あなたと話をしてわかりました。あなたの批評は、わたくしにとって貴重な助言となるのです。あなたがオペラ座の幽霊だというのであれば、どうぞ力を貸してください。わたくしたちのオペラ座が、ヨーロッパ、いいえ、世界一の芸術の殿堂になれるように』
「乾燥室」てのは、拷問部屋のことです。
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