軍団長という役目がら、エドラスを頻繁に離れなくてはいけないことがエオメルの目下の悩みだった。
両親を失ってからは妹ともども伯父であるセオデンに引きとられ、エドラスで育った。しかし第三軍団の軍団長に任命されてからはずっとそこで過ごすわけにはいかなかった。彼の肩にはローハンの平和を守るという責務が乗っていたからだ。
第三軍団の本陣はエオメルの生家でもあるアルドブルグだ。そこを拠点に、エドラスと往復する日々が続いている。
軍団長任命時のエオメルは二十六歳。異例の若さでの抜擢であった。
そして…。
セオデンの衰えは既に始まっていた。










黄金館









「お帰りなさい、セオドレド!」
久しぶりに従兄に会ったエオメルは破顔して、まだ停止しきっていない馬のそばまで駆け寄った。
「今戻った。久しぶりだな、エオメル」
セオドレドも満面に笑みを浮かべて馬から降りると従弟の肩を抱いた。
エオメルと妹のエオウィンはセオドレドの従弟妹であるが、幼い頃からエドラスで共に育ったため実の兄弟のように仲が良かった。
しかし互いに第二と第三の軍団長の役についてからはすれ違いが多くなり、今回も二ヶ月ぶりに会ったのだ。
「セオドレド、それは何ですか?」
セオドレドがブレゴの鞍からを下ろしていると、エオメルが不思議そうに尋ねてきた。少女はフードを目深に被り、マントの前をきっちり合わせているので一見しただけでは性別も年齢も判断できなかったからだ。
セオドレドはエオメルの物言いに苦笑し、のフードを下ろした。
「いくらなんでも「何」という言い方はないだろう。せめて「誰」かと聞け。そんなことだからその年になっても恋人の一人もできないのではないか?」
エオメルはを眺めて驚いたように目を見開いた。
馬の揺れが堪えたのか、やや青ざめた顔色ながらも華奢な愛らしい少女だと感嘆したのだ。
そして顔立ちがロヒアリムともゴンドリアンとも違っていたことも、すぐに認めた。
「失礼しました。しかし、四十にもなったのに一向にご結婚する気配のない従兄(あに)上に恋人がいないと責められる謂れはございません」
エオメルは最初の言葉をに、次のものはセオドレドに向けた。
「どちらの令嬢です?」
「……」
セオドレドは厳しい表情で一瞬黙り込んだ。
「角笛城へ向かう途中に倒れているところを見つけた。見ればわかると思うが、ロヒアリムでも、ゴンドールの者でもない。国の法に従い、王の許しを得なければここにはいられぬ」
エオメルはまじまじとを眺めた。
「彼女の名は。ニホンという国から来たそうだ。私は聞いたことがないし、おそらくお前も」
「ええ、聞いたことはありません」
セオドレドは声を潜めた。表情は固い。
「父の様子は?」
今度はエオメルの表情が固くなる。
「相変わらずです。傍らにはいつもグリマが…。エオウィンも王のお世話をかねて奴を陛下に近づけないようにしようとしているのですが、それも逆効果になっているのではないかと最近思うのです。奴は陛下のお耳に毒を吹き込み、さらに妹に付きまとっている。我ら二人がいない間のことを思うと…!」
ぎりっとエオメルは唇を噛み締めた。
敵は国内をうろつくオークだけではない。彼らにとって最も忌まわしい敵は、目下のところ彼らが愛してやまない王の傍らにいるのだ。
それを排除することができないでいる己の無力さに歯噛みしていると、頭の上を通り過ぎるやりとりにが不安そうに顔を上げた。
「ああ、すまん、紹介が遅れたな。弟のエオメルだ。後で妹のエオウィンも紹介しよう」
は改めて自分の名を名乗り、深々と頭を下げた。その表紙によろけたところをセオドレドが受け止める。
「すみません」
申し訳なさそうにしながらも、少女は肩に置かれたセオドレドの手をさりげなく外した。
顔に合わず誇り高い貴婦人のような振る舞いに王の息子は内心舌を巻いた。
「いや。しかし、ずいぶん顔色が悪いな。水を飲むか?それとも葡萄酒にするか?」
「…お水がいいです」
馬に酔ったのにさらにアルコールに酔うのは勘弁したい、とは思った。
は角笛城にいる間、騎士たちが訓練していない合間を使って中庭で乗馬の訓練をさせてもらった。滞在は一週間ほどでしかなかったが、他にすることもなかったので自然と熱が入り、そこそこ乗れるという程度だったのが長時間走らせることもできるようになったのだ。そのためセオドレドはエドラスに戻る際ににも馬を貸してくれたのだが、いかんせん、屈強な男たちが繰るようにはいかず、すぐに彼らについて行けなくなった。が遅れたのを見て取り、セオドレドは自分の前に乗せたが、いつ果てるともなく続く激しい振動に何度も気が遠くなりかけたのだった。
「すぐに持って来るから、座って待っていなさい」
セオドレドはの頭をくしゃっとなでると、エオメルに少しの間頼むといい置いて歩き去っていった。
エオメルは初対面の、しかも同族でない少女相手にどう接していいかわからず、思わず自分が行ってきますと言いそうになったが、セオドレドがエオウィンにするように接していたので思いとどまった。そして少女に何か話しかけなければと振り返ると、はひどく心細そうな表情でじっとセオドレドの歩いていった方をじっと見詰めていた。
彼女の透明な眼差しは大勢の人馬が行き交っていることなどなんの障害にもなっていないようだった。
少女の発するあまりに必死な、しかし密やかな雰囲気にエオメルは頭をかきむしった。
泣くな、と言いたかった。
彼女は泣いているわけではなかったが。
不安に思うことなどないのだ、と言いたかった。
だがエオメルにもセオドレドにもなんら確証を与えることなどできないのだ。
今のローハンでは。
エオメルはやや乱暴に少女の腕をつかむと、喧騒から少しはなれた場所につれて行き、無言のまま座らせた。
そしてセオドレドと同じように、風と振動でやや乱れた髪をくしゃっとなでた。
なんとなく、そうしたくなったのだ。









水を飲ませて少女が人心地ついたと判断したセオドレドは立つように促した。
セオドレドととエオメルは長い階段を上った。
館の入り口には近衛隊長のハマがしかつめらしい表情ですっくと立っていたが、セオドレドを認めるとにっこりと笑って恭しく頭を下げた。
「お帰りなさいませ、セオドレド様」
「ああ、久しいな、ハマ」
セオドレドも笑って答える。
ハマは目線でこの少女は誰なのかとセオドレドに問う。
だ。すぐにマークの一員になる娘だ」
断定的な物言いには思わず瞬きをしてセオドレドを見あげた。ハマも驚いている。
セオドレドは軽くの肩を叩くと、中に入るぞ、と飄々とした顔で言った。

黄金館の広間に入るとはすぐにマントを脱いだ。
髪は一本の三つ編みにして背にたらしており、歩くたびにゆらゆらと揺れていた。
中の服装は丈夫ではあるが地味な色のシャツとズボンだった。少年のものらしいそれは、決して大きいものではなかったが、ほっそりとした少女にはそれでも少々だぶついて見えた。ローハンの女もたくみに馬に乗るが、基本的には長いスカートをはいたままである。ローハンでは女が男の格好になることはほとんどないといっていい。それゆえ、この場での娘の格好はひどく目を引いた。
しかし少女はそんな自分に注がれる奇異の視線を気にすることもなく、背筋を伸ばし、実に優雅でしなやかな足取りで進んでいた。
いや、気にしていないというよりも、気にする余裕がないのだろう。
表情は固く、前だけをじっと見据えていた。
セオドレドは玉座の前で立ち止まり、一礼をした。もそれにならって頭を下げる。
「お久しゅうございます、父上。セオデン王よ。最近の西エムネトはオークの往来が落ち着いたようでございます。この度の巡回でも三十程度の小隊を一つしか発見できませんでした」
はセオドレドが話をしている間、不躾にならないように玉座とその回りにいる人々を観察した。
玉座は三段の踏み段の上にしつらえており、そこには疲れたような表情の老人が杖に寄りかかって座っていた。髪は白く、丁寧にくしけずられていた。
広間の中央には大きな暖炉があるため部屋の中は寒くはないが、王は毛皮を二、三枚着込んでいるようだった。全体的に、あまり健康そうに見えない。
(………)
はそっと視線を動かして王の後ろに控えている女性を見つめた。
彼女がエオメルの妹のエオウィンなのだろうと思った。整った白い顔は暗がりでもはっきりと安堵の表情を浮かべている。彼女の眼差しはセオドレドに向けられていたが、の視線に気がつくと少女を安心させるように小さく微笑んでみせた。
もそっと彼女に微笑むと、最後に玉座の下に立つ、背の低い男に目を向けた。
これが角笛城でおしゃべり好きなおばさんたちからさんざんけなされていたグリマなのだろうとは思った。彼をけなしていたのはなにも女たちだけではなく、が話す機会があった角笛城の住人の老若男女を問わず、グリマについて良い噂を聞いたことはなかったのだ。
彼は青白い顔色をし、目蓋が重そうに目にかぶさっていた。賢そうな顔ではあるが、どこか探るような挙動がそれを台無しにしている。グリマは少女に見られていることに気付くと、自身も遠慮なくじろじろ眺めてきた。
粘つくような視線を不快に感じたはすっと目を細めた。
彼女は目の大きさが目立つ幼い顔立ちではあるが、そうすると年相応に見える。
さらに犯しがたい力がその眼差しにこもっているのだ。
ぱちりとグリマとの間に火花が散ったことに気付いたのは、当の本人たちだけであった。
「その娘はどうした?」
セオデンが息子の口上もそこそこに打ち切り、じろりとを見下ろした。
「彼女は西街道の途中、道から外れた草むらで倒れていたところを見つけました。ニホンという国の者で、名前はといいます」
「ニホン?そのような国は聞いたことがない」
セオドレドは頷いた。
「はい。わたくしも存じませぬ。わたくしは彼女に話を聞きましたがあまりにも不思議なのです。はわれらが彼女を見つける前まで自分の家におり、知らぬうちにローハンにいたというのです。は我が国を知らず、また、ゴンドールのことも知らぬのです」
「なんと、セオドレド殿。そのように素性の怪しい娘をすぐに王の御前に連れてこないとは、軽はずみなことをなさいましたな。見知らぬものを勝手に歩きまわせるのは国法に背くことですぞ。ましてや、今はオークが跋扈する非常時。王の息子であるあなたが率先して国の法を破るとは、嘆かわしいことだ」
グリマはいかにも残念そうな口振りだったが、内心の喜びを隠せないでいた。セオドレドの失態はどのようなものでもこの男にとって歓迎するべきことなのだ。
セオドレドは冷ややかな眼差しで小男を一瞥しただけだった。
「彼女の倒れていた周辺には足跡などはなく、また彼女のほかには怪しいものは人であれ物であれ見つかりませんでした。まさに忽然と現れたとしか言いようがありませぬ。昔話にも聞いたことがないような不思議なことではありますが、しかし不思議だからといって否定する必要はないかとわたくしは思います。はただの迷い子で、その彼女に必要なことは保護以外にはありませぬ」
セオドレドはセオデンに向かって訴えた。
しかし答えたのはまたしてもグリマだった。
「そのような甘い考えで王の世継ぎが務まるのですかな?敵のスパイかもしれないではないですか」
「スパイならば、なぜこのようにいかにも疑えといわんばかりの者をよこすのだ。我が方の敵はそこまで間抜けなのか、グリマよ?何も探らず、ただ己が故郷に帰ることを望むだけのスパイ?馬鹿げている」
セオドレドは腕を組み、大げさに鼻を鳴らした。
「帰りたがる?しかしどうやって帰るというのですかな。聞いたこともない国に送り届けると?マークには余分な人手を割く余裕も、また人騒がせな小娘のためにそのようなことをする義理などないでしょう」
グリマはセオドレドに馬鹿にされて憤慨したようだが、王の息子が少女を手助けする気でいることに気付き、せせら笑った。
「私には方法はわからん。しかしやるべきことはするべきだ。マークは難儀する娘一人を救えぬほど惰弱してはおらぬ」
「どうするつもりだ?」
セオデンは曲がった腰をわずかに伸ばして息子を見やった。
「サルマンの助言を仰ごうかと思っております」
セオドレドの発言に広間中のものがどよめいた。
「白の賢者に?またずいぶんと突拍子もない…」
グリマは怯えたように身をすくめた。不健康そうな顔に汗が滲む。
「これはの望みでもあるのです。彼女はニホンを知るものを探しておりますが、我らの中にその国を知るものはおりませぬ。しかし知恵あるものの中にはあるいは知る者がいるかもしれませぬ。ガンダルフが、あるいはサルマンが。もともと魔法のような不可思議な力によって我が国を訪なった娘です。魔法のことならば魔法使いに聞くのが一番でしょう」
「ふうむ」
セオデンは口元に手を当てて考え込んだ。
グリマはというと、先ほどからすっかり落ち着きをなくしていた。セオデンとセオドレド、の間を探るように視線を走らせている。傍目にも呼吸が荒くなり、肩で息をしていた。
「そなたが連れてゆくのか?セオドレド」
セオデンが問うた。
セオドレドが返答をしようとしたところにグリマが割って入った。
「どうしてもというのであれば、娘一人で行かせればよいのです、王よ!なぜマークの民でもない者のために貴重な戦力であるエオレドとその御大将をエドラスからも角笛城からも遠ざけなければならないのですかな。そのようなことを、陛下はお許しになってはいけませぬ。セオデン王よ、陛下はマークの安寧を一番に考えねばなりませぬ。そのためには素性の怪しい娘などに関わってはなりませぬ!」
グリマは耳障りな声で叫んだ。あまりに必死なので声が裏返っている。
セオドレドは静かな眼差しで父を見上げた。
「お許しいただけますれば、わたくしがを連れてゆきます。もともと西エオレドはわたくしの受け持ち地区でございますし、アイゼンガルドはその近接地でございます。それにここ数年の世の不穏な状況について、意見を交わし、助言をいただけるのではないかとわたくしは考えております」
グリマはつぶれたかえるのような声でうなった。
「娘よ」
「はい。陛下」
セオデンはここで初めてに声をかけた。話しかけられるまで自分から口を開かないようセオドレドに言い含められていたので、自分の今後に関わることであるのだがじっとしていたのだ。
はセオデンに改めて頭を下げ、セオドレドの影から一歩進み出た。
「そなたの真意を問いたい」
「わたしが申し述べるべきことはすべてセオドレド様が仰ってくださいました。わたしは家に帰りたいという望みしか持っておりません。恩こそあれ、わたしはマークの敵ではありません。一人で行けと仰るのであればそう致しますし、その後はマークに足を踏む入れるなとご命令なさるのであれば従いましょう。ただ、どうか、これはわたしに残されている唯一の望みなのです。アイゼンガルドに向かうお許しをくださいませ」
荒げてはいないが切実な響きを持つその声は広間の聴衆の耳を打った。
マークの民から好かれているセオドレドが庇っていることもあって、その場にいたもののほとんどがに同情を寄せていた。脇に控えていたエオメルなどは、子供をいじめるとは何事かと、射殺しそうな目でグリマを睨みつけていた。
「よかろう」
セオデンの一言で広間中から安堵のため息が漏れる。
「ありがとうございます、陛下」
とセオドレドは同時に礼をとった。
「サルマンがそなたの故郷を知っているのであれば、黄金館に戻るには及ばぬ。そなたの身は魔法使いに預けよう。しかし彼にも知らぬようであれば、マークに住むことを許そう。セオドレド」
「は」
「その時には拾ったそなたが責任を持って娘の身の振り方を決めよ」
「承知いたしました」
力強く頷く王子から王の相談役は忌々しげに目をそらした。



「エオウィン」
審議が終わり、広間から三々五々に人々が出てゆく。
セオドレドは父に付き添って退室しようとしていた従妹を呼び止めた。
「なんでしょうか、セオドレド」
エオウィンは柔らかな微笑みを浮かべて従兄に近づいた。
「父のことは私がしよう。今日はについていてくれぬか?女同士の方がなにかと気兼ねをしなくていいだろう」
セオドレドはに前に出るように身振りで示す。
、もうわかっていると思うが、妹のエオウィンだ」
「はじめまして、エオウィン様。あの…よろしくお願いします」
がペコリと頭を下げると、エオウィンはにこりと笑った。
「こちらこそ、。大変な目に遭われたわね。それをグリマときたら…!あなたがスパイだなんて、どの口でいうのかしら。図々しい」
エオメルも大股で歩み寄ってきた。
「奴のことは気にするな、。あいつの方が、よほどマークの安寧を乱している。王のお許しさえいただければ、あのような者、さっさと追い出してやるのだがな」
「わたしなら大丈夫です。簡単に受け入れてもらえないと覚悟はしてきまいたし、それにセオドレド様がついていてくださいましたから」
は信頼のこもった眼差しでセオドレドを見あげた。
セオドレドは屈託のない笑みを浮かべて、の髪をかき混ぜた。
「そうしていると親子のようですよ、セオドレド」
「…そうか?いくらなんでもこんな大きな子がいるような年でもないと思うのだが」
エオメルが茶化していうと、セオドレドは本気で首をかしげた。
は自分の年までは言っていないことに思い当たり、改めて二人にもう少し詳しい自己紹介をした。
エオメルとエオウィンが驚いたのは言うまでもない。















時刻は深夜近く。
セオドレドは王の就寝の支度のためにセオデンの寝室にいた。
部屋を暖め、夜着を整える。
寝室は寝るためだけの部屋なので窓らしい窓はない。昼でもほぼ光のない部屋を明るい雰囲気にしているのは、部屋に張り巡らされた鮮やかな緑の壁紙と白い馬の刺しゅうが施された壁掛けだった。
壁掛けは隙間風を遮るための実用的な品物で、ある程度の裕福な家ではごく普通に掛けられている。しかしそれだけでは完全に風を遮ることはできない。そこで王の身体にかける負担を少しでも軽くするために貴重な紙をふんだんに使って寝室中に壁紙を張り巡らせたのだ。マークの象徴の色である緑の壁紙の上にメアラスの意匠をあしらった壁掛けのあるこの寝室は、外に出ることのなくなったセオデンにとって唯一外界を感じる場所になった。
(美しくも見せかけだけの緑ではなく、じかに外の空気に触れさえすれば、ご気分もずいぶん良くなると思うのだが…。しかし、いい機会だ。今まで身内の問題だと考えてエオメルやエオウィン、信頼する諸将らにしか相談していなかったが、サルマンほどの知恵者ならば、父の不調の原因がわかるやもしれん。もしも兼ねてから懸念していた通り、毒が盛られていたのならば、必ずや尻尾をつかんでくれる。蛇の舌め。いつまでも貴様の自由にはさせぬからな…!)
偽の緑の草原を駆ける動かぬ白馬に誓うように、セオドレドは胸に手を当てた。






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