沖つ鴎の鳴く声は
止めるべきだった。
どれほど悲しませようが、失望させようが、怒られようが、連れてくるべきじゃなかったのだ。
レゴラスは身体中を後悔で一杯にさせ、ひたすらが目を開けるようにイルーヴァタールに祈っていた。
が墜落してからもう何時間過ぎたのか。
馬を休ませなくてはならなくなるまで走り通し、今は真夜中になっている。
休憩を取らねばならないのはドゥネダインも同じだが、彼らは数人ずつ交代で八方に探索に出かけ、定められた刻限が来るたびに肩を落として手ぶらで戻ってきた。
アセラスが見つからない。
エルラダンとエルロヒアは別れて行動したまま、まだ戻ってきていなかった。人間ほど休憩を必要としない彼らはドゥネダインよりも遠くへ探しに行っているのだ。
自分も行かなくては。人間はエルフほど夜目が利かない。アセラスがすぐ近くに生えていても見逃してしまうかもしれないのだから。
そう何度も思ったが、不思議と身体が動かなかった。
ぴくりともしない少女を抱きかかえて、根が生えたように地面に座り込んでいるだけ。
目を離したらその瞬間にの呼吸が、鼓動が、止まってしまいそうで恐ろしかった。
鼓動が止まる――
それが意味することを知らないレゴラスではない。
暗闇に取り囲まれた闇の森では、彼の一族で守られている一帯を除いては、死は身近にあるものだ。
友たる鳥や獣たちは時と共に世代を代える。
それよりも緩慢ではあるものの、森の木々も同じだった。
特に心をかけていたものが動かなくなるのはひどく悲しかったが、鳥も獣も草木もその後に新たな命が続いていた。
それらが育っていくのを見てゆくうちに悲しみは癒え、喜びに変わっていく。
(だけど、それらとは根本的に違うんだ。どれほど多くの人間がいたところで、の代わりになるわけではないんだ。エルフの同族のように、傷つき倒れようと西の地で再会できるわけでもない。失われたら、二度と取り返せないんだ)
じわりと身体の奥が冷えてゆくのを感じて、レゴラスはを抱きしめる腕に力を込めた。
(イルーヴァタール、イルーヴァタール!を助けてください。彼女はあなたの子ではないけど、この世界の重荷を負っているんです。どうか、彼女にも恩寵をお与えください。お願いです。どうか…)
目蓋の裏が熱くなる。
胸が痛くてたまらなかった。
このままが目を覚まさないとわかった時には、この痛みに貫かれ、自分も死ぬのだろうかと思った。
もう身体を支えていられなくて、レゴラスはの華奢な肩口に顔をうずめた。
冷たかった。
まだ心臓は動いているのに、ひどく冷たいのだ。
「助けて…」
レゴラスは我知らず声に出していた。
「助けて…」
助けてください――
ぷしっ。
「え?」
間が抜けたような音に顔を上げるとがうっすらと目を開けていた。
「ん…んー?レゴラス?なに?」
「…」
信じられないものを見るようにレゴラスは呟く。
「ん…?」
が身じろいだのでレゴラスは身体に回していた腕の力を緩めた。はこしこしと鼻をこするともう一度くしゃみをした。
よく見るとの顔にレゴラスの髪が散らばりかかっている。くすぐったかったのだろうと思い至ってレゴラスは身を起こした。
「ええと…。なにしていたんだっけ」
寝ぼけ眼でも起き上がった。目をこすり、あくびをするとようやく意識がはっきりしたのだろう、驚いたように目を見開いた。
「え?ちょっと、レゴラス、どうしたの?何で泣いてるの!?」
はようやく己がレゴラスの膝の上に抱きかかえられており、さらに彼が目に一杯の涙を浮かべていることに気がついたのだ。
おぼろに輝く肌からも、星明りの瞳からも光が消えうせており、血の気がなくなって白というよりも灰色のように見える頬には幾筋もの涙のあとがあった。目のふちは赤くなっている。
「…起きた…」
レゴラスはくしゃりと顔を歪めると再び抱きしめた。先ほどまでよりもわずかずつ体温が高くなっている。混乱したままのがレゴラスの腕の中で何度か叫んだが、意に介さなかった。
レゴラスが泣き止む頃には、アセラスを探しに出かけていたドゥネダインと双子たちが全員戻ってきていた。
「それで、いったい何があったんだ」
レゴラスがようやく落ち着きを取り戻し、を解放できるようになるまで待ってからアラゴルンは聞いた。てっきり指輪の魔力に捕らわれたのかと思っていたが、そんな様子はなさそうだった。いや、むしろ元気そうなくらいだ。
「何って…」
は困惑したように首をかしげた。本人にもよくわかっていないらしい。
「身体の具合は?」
「平気よ。今までよりも調子がいい…」
くらい。と言いかけて、は口を閉ざした。
何かがおかしい。
とっさにそう感じた。
気絶する前まで記憶を遡り、その原因に思い当たっては身体を固くした。
「?」
アラゴルンが呼んだ。
「ちょっと…待って。今・・・確認しないと」
は片膝を立てて座りなおすと、立てた膝に両手を乗せ、その上に顔を伏せた。
目を閉じて意識を凝らす。
確認は一瞬。そうでなければよいと願ったが、最悪のことが起こったらしかった。
「ミナス・ティリスまで、あとどれくらいかかるんだっけ」
は顔を伏せたまま聞いた。
「そうだな。何事もなく、急ぎに急げば二日で着くだろう。何事もない可能性はずいぶんと低いだろうが」
アラゴルンは慎重に答えを返した。顔を伏せてはあっても、の声に深刻な響きがあり、何か重大なことが起こったという予感がしたのだ。
「二日」
は顔を上げた。
「だが、間に合うかどうかはわからない」
アラゴルンはの色を失った顔を見つめたまま告げた。
「何があった」
隠すのもごまかすのも許さないと、アラゴルンは強い調子で聞いた。はそんなアラゴルンの強い眼差しを正面から受け止め、沈黙した。
だが、沈黙していても事態はかわらない。は心を決めると強張った口を動かした。
「指輪の気配がないの」
場の空気が一段と冷えたように感じた。
アラゴルンは恐れていたことを告げられたというように低く呻いて固く目をつぶった。
レゴラスは息を飲み、ギムリはフロド、と小さく呟いた。
「指輪所持者は…死んでしまったの?」
エルラダンがひっそりと聞くと、は首を振った。
「生きてます。弱っているけど…」
「君が墜落したのはなぜ?」
「多分、フロドが攻撃を受けたせいです。それもオークとかではないものに」
「オークの攻撃を受けた場合はこうはならないんだね」
エルラダンが確認するように聞き返すと、はきっぱりと頷いた。
「わたしがフロドにかけた術は、フロドが受けた魔力に反応するんです。指輪だけというわけではありません。でも剣にしろ、毒にしろ、ただの物理攻撃まではわたしには影響がありません。今のフロドの状況ではっきりしていることは、フロドは今、指輪を持っていないということです。そしてわたしが気絶したそのときに、フロドが何らかの魔力を持ったものから攻撃を受けたということです。そして彼は生きている。ううん、生かされているだけなのかもしれないけれど」
が言い終わると、再び場が沈黙に支配された。
「出発しよう」
苦悩を振り切るように立ち上がり、アラゴルンは全員を見渡した。
とアラゴルンを中心にドゥネダインがおり、その外には灰色の軍団が取り囲む。
「もともと望みの少ない決定だった。われらは禍の日を先送りするのではなく、終止符を打つために指輪を火の山へ送った。、フロドはまだ生きているんだな」
「間違いないわ」
アラゴルンは頷いた。
「ならば私はまだ望みを捨てないでいよう。彼を救出するためにも、今はミナス・ティリスへ急がなければ」
彼らの行動は素早かった。
アラゴルンの言葉が終わるや否や、夜営の後始末をし、馬に跨る。数分後には再び黒と灰色の一行が暗闇の中を疾走していた。
「莫迦な考えだって、わかってはいるんだけどね」
今の彼女にそんな気力はなかったのだが、またぞろ無茶をやらかすのではないかと危惧したアラゴルンによって飛ぶのを禁止されたは、レゴラスとともにアロドに乗っていた。
少女の呟きにレゴラスが問うと、彼女は自嘲するように笑った。
「フロドとサムを迎えに行きたい。指輪がないのなら、モルドールなんかにいさせたくないもの。わたしの翼がもっと大きかったらそうしていたのに」
「そんなこと」
「わかっているって言ってるでしょ。無理なのよ。わたしの翼じゃホビット一人乗せられるかも怪しいくらいだし、第一、それで何か事態が好転するわけでもないんだもの。でも歯がゆいの。あの子たちに何かしてあげたくて、でも何も出来ない自分が歯がゆくて仕方がないのよ」
は口惜しげに唇を噛み締める。
「は私たちの誰よりもフロドを助けてあげていると思うよ。それにフロドの無事は、皆も願っている」
慰めにはならないと思いながらもレゴラスは言わずにはいられなかった。
は複雑そうにありがとうと言うと、何かに気付いたような顔になった。居たたまれないような、ばつの悪そうな、そんな表情だ。
「どうしたの」
「あ…。うーんとね。…ごめん、やっぱり、レゴラスには言いにくいわ」
「何?私のことなの」
「ううん、そうじゃなくて」
「教えてよ。そんな途中で止めるなんて、気になるじゃないか」
「でも、聞いたらレゴラス、落ち込むと思うわ」
少女は真顔で言った。
「…それでもいいから」
一瞬怯んだものの好奇心に負けたレゴラスだったが、少女の予言どおり落ち込む羽目になった。
「今のわたしとフロドの状況って、わたしとナセの状況とそっくりだって、気付いたの。今はナセ、わたしが生きてるのはわかるけど、それ以上のことはわからないらしいじゃない。もちろん、ガイアにいた頃はそんなことはないのよ。わたしはナセの気配くらいしか読み取れなかったけど、ナセはもっと色々わかってたもの。
それでね、わたしはフロドが生きてるって、わかるのよ。指輪があったときは、なんていうのかしら、砂時計の砂がたまるような感じがあったの。たまるのはもちろん砂じゃないし、一杯になったところでひっくり返せるわけでもないんだけど。でもそれが順調にたまっている間はまだ安心していられるのよ。フロドは無事で、敵方にはまだみつかっていない。指輪を捨てるためにモルドールの奥へ進んでいるんだろうって。
でも今は怖くてしょうがないの。攻撃したのはどう考えたってこちらの味方ではないだろうし、フロドは今のところ生きているけど、でもどんな状況にあるのかがわからない。一瞬先であの子の命が途切れるのを知るかもしれないと思うと、怖くて怖くて…。心配、なんてものじゃないわ。
だけどわたしもナセに同じ思いをさせているんだもの。わたし、何があっても帰らないわけにはいかないわ」
「…とまあそういうわけで、大変だったのはよりもレゴラスだったんじゃないかと思うよ。あんなにしょぼくれたエルフは見たことないね」
ギムリが冗談めかして結ぶと、レゴラスは「それはないよ」とぼやいた。
が目覚めてから出発するまでのことを語り終えたギムリはのどの奥で笑うだけだ。彼はアラゴルンと同乗したので(そしてエルフの耳を持っているわけではないので)レゴラスとの二人だけで交わされた会話までは知らないのだった。
メリーとピピンは目の前の美しくずば抜けて強いエルフが泣き喚いたと聞かされても少しも想像できないらしく、狐につままれたような表情でお互いを見交わした。
「で…指輪が戻ったって、わかったのは」
そこでメリーは感想は控えて話の続きを促すと、今度はレゴラスが答えた。
「次の日だね。ああ、メリー。指輪が奪われたらしいと知って、私たちがどれほど恐れに囚われたことか。だけど立ち止まっている余裕はなかったんだ。そうと知ったらなおのことゴンドールへと急がなければならなかったのだから。指輪がサウロンの元へ渡り、ミナス・ティリスが陥落してしまったら、もう我らには打つ手はなくなってしまうのだから」
レゴラスは一呼吸置くと再び口を開いた。
「が目覚めたその日も暗闇のうちに朝を迎えたんだ。東から流れてくる厚い雲が太陽の光を遮り、悪意の混じった風が心を暗くした。この日はペラルギアの地で戦いに出会った。アンドゥインとシリス川の合流地点であるペラルギアにはウンバールの主力艦隊がいたんだ。五十隻の大型船に数え切れないほどの小型船があった。リンヒアから逃げ出した敵の多くは先に港についていて、恐怖を持ち込んでいたんだ。船の中にはもう港を離れて逃げようとするものや、向こう岸に接岸しようとするのもあった。小型船の多くは燃えていて、追い詰められたハラドリムは窮地にあって反撃に出てきた。死に物狂いだったからいっそう凶暴になってね。
だがまだまだ彼らの方が大軍で、彼らは我々を笑った。だがここでアラゴルンが大音声で呼んだのだ。『いざや来たれ!黒の石にかけ、われは汝らを召しだすぞ!』
するとそれまで一番後ろで動きかねていた幽霊部隊が灰色の潮のように押し寄せて、その前にあるものは何もかも一掃してしまった。彼らは手に薄青い剣を持っていたけれど、それを昔と同じように敵に振るったのかはわからない。なぜなら彼らは恐怖以外のどんな武器も必要ではなかったから。何者も彼らに抵抗しようとはしなかったから。
彼らは接岸している船という船に押し寄せ、次には水上を渡って停泊している船に攻め込んだ。乗組員は鎖につながれて櫂を漕がされている奴隷たちを除き、皆気も狂わんばかりの恐怖にいたたまれず、水中に跳び込んだ。我らは逃走する敵を蹴散らしながら馬を進めついに河岸までやってきた。その後アラゴルンは残っている大型船の一つ一つにドゥネダインを一人ずつ遣わし、船に乗せられていた捕虜たちを元気づけて彼らに恐れるのをやめ自由の身となるように命じたんだ。
この暗い日が終わるまでにはわれらに刃向かう敵は一人も残っていなかった。皆溺れ死ぬか故国に向かう存念で徒歩で南に逃走していった」
「あの日のアラゴルンはたいしたものだった」
ギムリは腕を組んでレゴラスの言葉を引き継いだ。
「黒の艦隊は彼の掌握するところとなった。アラゴルンは一番大きい船を選んで乗り込み、敵から奪ったたくさんのラッパをいっせいに吹き鳴らさせた。すると亡霊たちは岸辺に引き上げて、音もなく静まって立った。『今ぞイシルドゥアの世継ぎの言葉を聞け!汝らの誓言は成就せられたり。戻りて二度とかの谷間の地を騒がすことなかれ。行きて永遠の眠りにつくべし!』
アラゴルンが大音声で彼らに呼ばわると、すぐに死者たちの王が亡霊たちの前にくっきりと姿を現し、持っていた槍を折って捨てた。それから彼は低く一礼して去っていった。するとたちまち灰色の大軍は一人残らず突風に追い払われた靄のように消えうせた。わたしはまるで夢から覚めたような気がしたものだ。
その夜わたしたちは休んだが、働いている者たちもいた。というのはたくさんの捕虜たちが釈放されていたし、敵が奇襲のたびに連れ去っていった、かつてはゴンドールの民であった多くの奴隷たちも自由の身となったからだ。それにレベンニンからもエシアからもたくさんの人が集ってきた。ラメドンのアングボールも招集しえる限りの騎馬の者を引き具してやってきた。死者たちの恐怖が取り除かれたので、彼らはわたしたちに力を貸し、イシルドゥアの世継ぎを一目見んとやってきたのだ」
ギムリが話している間、レゴラスはすっと立ち上がり城壁のそばまで歩いていった。そのままじっと空を見上げる。
「レゴラス、どうかしたの?」
ピピンが声をかけると、彼は遠くに見えるアンドゥインを指差し、ゆるりとピピンに振り返った。
「見えるかい。鴎が来ている。ずいぶん陸の奥まで飛んできたようだね。彼らは私の驚きで、私の心を騒がせる種なんだ。私はペラルギアに来るまでは、一度も彼らに会ったことがなかった。ペラルギアで、船を相手の戦いに赴こうとする時、私は空中で鳴く声を聞いた。その時私は中つ国での戦いを忘れてしまった。悲しげに鳴くその声が私に海のことを語りかけたのだもの。私はまだこの目で海を見てはいないけれど、エルフならば誰にも心の奥底深く海への憧れが潜んでいる。これを掻き立てるのは危険なんだ。彼らに気をつけるよう奥方に言われていたというのに、今や私は彼らを忘れることが出来ない。ブナの木の下でも楡の木の下でも、私は二度と心の平安を味わうことはないだろうね」
レゴラスは淡々と話したが、瞳は熱っぽく揺らいでいた。
今すぐにでも西へ行きたい。そんな心の声が聞こえてくるようだった。
「そんなこと言わないでくれ!」
ギムリが叫んだ。
「中つ国にはまだまだ見るべきものが数限りなくあるのだし、なすべき大きな仕事がいくらでもあるのだから。しかし美しい者たちがみんな港に行ってしまうとしたら、留まるべき運命の者たちにとってこの世はいっそう退屈な世界になるだろうなあ」
「まったく退屈で侘しいもんだろうね」
メリーがギムリに同意して言った。
「レゴラス、あなたは港に行っちゃいけないよ。大きい人たちであろうと小さい人たちであろうと、あなたを必要とする者がこれからだってずっといるんだから。ドワーフでさえ、ギムリのような少数の賢いドワーフたちはそう感じるだろうからね。少なくとも僕はそう望んでいるよ」
「ぼくだって!」
ピピンも叫んだ。
「もレゴラスに行ってほしくないよね?ね?」
期待を込めてピピンがを見つめると、彼女はふいと瞳をそらした。
「…?」
ピピンはぽかんと少女を見つめた。こんな反応はまったく予想していなかったからだ。
「はレゴラスが海を渡ってしまってもいいの?」
信じられないとピピンが小さく頭を振った。
「そういう、わけじゃないけど…」
「けど!?」
口ごもるにピピンはすっかり腹を立てたように、少女の着ている簡素な生成りのドレスの裾を握った。答えなければ話さないと言外に告げていた。
ピピンは大好きな旅の仲間がこれ以上いなくなるのは耐えられなかった。ボロミアは死んでしまい、フロドとサムの二人には再び会えるかどうかわからなかった。異世界から来た少女には迎えが来るのだとわかっていても帰ってほしくはなかった。レゴラスはに恋している。もしも二人が結婚したらは帰らなくてすむかもしれない。勝手な願いだと思いながら、そうなったらどんなに嬉しいかとピピンは思っていた。
「だって、止める権利なんか、ないじゃない。レゴラスが辛いのなら、海を渡ったほうが…」
途切れ途切れに言う少女に、ピピンは泣きたくなった。
泣きそうなピピンよりも、さらに悲しそうだったから。
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