その子の名前はジルーシャ・アボット。

    家庭の事情や保護者の死亡などではなく、置き去りにされた、まったき係累を持たない少女である。

    

    このジルーシャの進学に際して覚書をつけて、本日分の日記は終わらせよう。

    まずは進学先だが、これは私には手の負えない問題であるので、姪のジュリアが通うという大学にしよう

    と思う。女の子の後見をするのは初めてのことであるので、予期せぬこともあるだろうから。

    また、学費と寮費その他はこちらから支払えばよいとして、学生同士のつきあいもあるだろうから、おこず

    かいだけは直接本人の手に渡るように取り計らう。35ドルほどあれば充分だろう。

    今まで後見を務めた男の子たち同様、学業の進展を伝える手紙だけは書かせるが、返事は一切しないこ
    ととする。私は手紙を書くこともあまり好きではないし、評議員からの返事など、余計なプレッシャーにしか

    ならないであろうから。それよりも日々の生活をしっかりすることが先決である。

    

    さて、夜も更けてきた。今夜はもう寝よう。











   



















  
























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