1909年12月23日(木) ジュディからの手紙が届く。 先日、クリスマスの贈り物として小遣いを多めに送ったのだが、何も言ってこない。 入れ違いになったようだ。 それにしても、あまりおかしなものを買わなければいいのだが……。 しかし、私が選ぶというのもなぁ……。このくらいの年の子には何を贈ったらよいのかわからん。 何でも喜ぶような気がしないでもないが。 まあ、いい、過ぎてしまったことだ。 さて、今回の手紙は開いた途端、噴出してしまった。 なんとそこには私の似顔絵だという、手も足も胴もひょろ長いものが描かれていたのだ。 私の頭に毛があるかどうか、あるとしたら黒いのか白いのかということを、まだ気にしているのである。 ひとしきり笑わせてもらったが、その後は至極真面目な内容が、いつもの軽快な筆致で書かれており気を抜いて まった。だがこれで終わりではなかったのである。 最後の追伸でまた私の頭がどうかを訊ねてきたのだ! 電信でいいから返事をくれと言う、この情熱には参ってしまう。 (しかし、頭から私が年寄りだと決めてかかっているのはどうも……。まあ、評議員には引退した実業家や軍人が 多いから、ジュディがそう思い込んでしまうのも無理なかろうとは思うが) しかし、私にとっては面白いだけなのだが、ジュディにとっては切実に知りたいことなのだろうと思うと、本人に知ら れることはないとはいえ、あんなに笑ったのは悪かったように思える。 本当に返事をすることはできないから、せめてここに記そう。 いつも楽しい手紙をありがとう、ジュディ。 それから、 『スミスシハハゲアタマニアラズ』 |