1910年1月6日(木)
    ジュディからの手紙が届く。

    クリスマスプレゼントは喜んでもらえたようだ……。

    といっても、小遣いを少々送っただけなので、選んだのはジュディなのだが。

    クリスマス休暇中は当然ながら授業も休みだ。生徒もほとんどが家に帰る。

    何人か残った生徒でそれなりに楽しく過ごしたようだが……。夏休みはどうしようかとふと気付いた。

    クリスマス休暇と違って、夏休みは長い。

    この子には親類もいないのだし、どこにも行くあてはないだろう。

    読書をして過ごすにしても、限度があるように思う。

    それに、作家になるのならもう少し外の世界を知っていてもおかしくあるまい。
    よし、何か考えておこう。忘れないうちに、メモしておかないと……。

















    1910年1月24日(月)



    ページが余ったので埋めてしまおう。

    ジュディからの手紙が届く。

    試験が近づいていたので、今回は割合短めだ。

    もしかしたら、今までで一番短いかもしれない。

    それにしても、人の口から(手紙だが)親族の話を聞くというのは、たまにいたたまれない気持ちになる。

    一体、姉さんはジュリアに何と言って教育をしてきたのだろうか。いや、姉という人間は、私もよくわかっている

    が……。義兄さんも義兄さんだ。一緒になって馬鹿なことを……。

    アダムよりも前から続く家系?そんなものがあったとは驚きである。

    ああ、まったく……!

    一体何のつもりでこんな与太話を教え込ませるんだ。

    社交界では変わり者のレッテルを貼られている私だけれど、さすがの私だってこんな奇想天外は思いついたり

    しない。自らを高く見せようとするあまりに却って滑稽なことになっているのがわからないのだろうか。

    一日の最後を楽しい手紙で締めくくろうとしたが……。どっと疲れてしまった。

    頭が痛い。














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