1910年4月3日(日)
    ジュディからの手紙が届き、私はすぐに慙愧の念にかられた。

    彼女は病気だったのだ。

    そのせいで気が弱くなり、あのような手紙を書いてきたのだ。

    私は返事の一切をしないので、前回の手紙で私が感じた一切はジュディに届くことはないのだが、それでも

   ずいぶんと狭量なことを考えたことをほかならぬ私自身が知っている。

    もやもやとした感覚が拭いきれず、とうとう、私はジュディに手紙を書いてしまった。

    それに見舞いといえば花だろうと、バラを添えて贈った。

    彼女の病気が、あまりひどくないことを祈る。

    








    1910年4月5日(火)

    ジュディから礼の手紙が届いた。

    あまりに感激されたので、かえって居たたまれない気持ちになった。

    病気が心配だったことはもちろんだが、あの花束には個人的な罪悪感が潜んでいたのだから…。

    だが、あれが少しでも彼女を元気付けられたのなら、私も嬉しい。

    元気になるまで手紙はかかなくてよいから、充分な療養をしてほしい。



















  
























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