1910年6月1日(水)
    立て続けに手紙が来た。

    一通は土曜日に届いたもので、農場行きに対する礼が述べられていた。

    フランス語の授業中に書いたというそれには、ところどころフランス語が混じっている。覚えたものを使いたくて

   仕方がないのだろう。 

    彼女に会った事で、朧な影でしかなかったジュディという少女が明確な姿となった。
    つまり、何が言いたいのかというと、ジュディが喜んでいる様子が目に浮かぶのだ。

    

    二通目は今日届いた。

    農場行きのことを改めて書いてきており、彼女の喜びように私も嬉しくなるほどだった。 
    しかし長めの手紙のほとんどを占めていたのは、ジュリアの叔父君の訪問のことだ。

    つまり、私のこと。

    私がジュディに対して好印象を持ったように、彼女も私に好印象を持ってくれたようだ。

    だが私がジョン・スミス氏を思い出させる、という一文にはいささかドキリとした。

    スミス氏の正体が私だとバレたわけではなかったのだが。

    こうして彼女の手紙を読んでいると、あの時の楽しかった思い出が甦ってくる。

    また機会を作って会いに行ってみよう。





   



















  
























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