1910年6月11日(土)
    一年生のジュディから最後の手紙が届いた。

    大学は夏休みに入るのだ。

    これから三ヶ月間、彼女はロック・ウィロー農園で過ごす。

    静かな環境で一年間の疲れを癒し、英気を養ってくれればよいと思う。

    

    そういえば、夏休みの間もジュディは手紙を書いてくれるのだろうか?

    彼女が農園で楽しくやっている様子を私も知りたい。

    彼女のことだから、必要のない心配をしているのだろうとは思うが…。

    
    6月14日(火)

    ジュディは無事にロック・ウィローに着いたようだ。

    彼女は農園をとても気に入ってくれたようで、興奮した様子が文字からもわかるほどだ。

    あそこへはしばらく行ってないが、変わっていないようだ。

    子供の頃にあそこで過ごしたひと夏を思い出す。

    屋敷中を駆け回って、天気の良い日には馬に乗ったり川遊びをしたり…。楽しかったな。

    農園には都会的な楽しみはまったくないけれど、あそこでしか出来ないこともたくさんある。

    未来の作家、ジュディ・アボットの心の糧になれば幸いだ。



   



















  
























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