1911年1月22日(日)
    ジュディからの手紙がきた。

    しかし、今回は学校のことはほとんど書いていない。

    どことなくしんみりしているようだし、何か特に憂鬱になるようなことでもあったのだろうか…?

    彼女の素性に関しては、後見人をすると決めた時にすべて知っている。

    ジュディは、彼女を育てるべき両親に死に分かれたとか、どうしても養育することのできない事情があって孤児

   院に預けられたのではない。置き去りという形でこの世に見出された子なのだ。

    だから、彼女の身内がこの世に存在しているとしてもわからない。

    場合によったらアメリカ人ではないかもしれないというジュディの考えは、的を射ているのかもしれないのだ。

    まあ、アメリカ人と言ったところで、数代遡ればどこか別の国の人間だった者がほとんどだろうから、彼女が生粋
   のアメリカ人でないとしても驚くに値しないが。

    ああ、しかしこんな手紙を書いてくるなんて、やはり寂しいのだろうか?

    だからといって、私が赤子を盗まれたことのある父親で、ジュディがその子だったら、だなんて。

    例え話とはいえ、ありえないことだ。

    ジュディ位の子の父親になるためには、私は14歳で子持ちにならないといけないことになるからね。

    しかし、ジュディの様子が気になるな…。

    どうにかして元気付けてやりたいが、あまり頻繁に女子大学を訪れるというのもなぁ。





   



















  
























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