1911年2月6日(月)
    『親愛なるあしながおじさまへ』で始まった彼女の手紙の次の単語がジミー・マクブライドだったことに苛立ちを

   感じるなんて、私もすっかり父性愛がついてしまったものだ。

    それより、ジミー・マクブライドが大学の校旗を送ってきたというのはどういうことだ?

    マクブライド嬢宛てなのかジュディ宛かによって私の彼に対する心証はずいぶん変わるといわざるを得ない。

    もしも彼が私の経営している会社に就職したいと考えようものなら

    公私混同はよくない。

    だが、今更妹に自分の大学の校旗を飾ってほしいと頼むとは思えない。誰宛で届けられたにしても、目当ては

   恐らくジュディ…。

    ここは、後見人として見守るべきなのだろうか。
    ジュディとて、いつかは家庭を持つのだろうし、それを邪魔するような野暮な真似をしていいはずもない。

    彼女が家族をほしがっていることは、私が一番よく知っていることではないか。

    しかし…ジミー・マクブライドはジュディが孤児だと知った後でも態度を変えたりしないだろうか。

    そんなことになったらジュディはひどく傷つくだろう。それだけが心配だ。

    





    そうそう、今回の件で改めて気をつけるべきことがあった。

    贈り物は相手が喜んでくれそうなもの、ということだ。

    間違っても壁の片側が埋まってしまうほどの校旗なんて選ぶものじゃない。

   

    それから、ジュディ。いくら上等のフェルトでできているからといっても、バス・ローブにするのはやめてほしい。

    オレンジと黒だぞ?

    およそ、趣味がいい取り合わせとは思えん。



    






  













     あ、来週が試験か。

     となると、次の手紙は結果報告だろうな。さすがに今度は落第はしないだろうが…。








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オレンジ色と黒という組み合わせで、私が一番最初に思い浮かんだのが○ャイアンツなのですが…。
他意はありません^^;
てか、あれはオレンジと黒でしたっけ?濃紺?