1911年4月1日(土)
    4ヶ月ぶりにあったジュディは、また少し大人っぽくなっていた。

    若い木が日の光をたくさん浴びてすくすくと育つように、ジュディは会うたびに輝きを増している。

    大学での生活は彼女に多くを与えてくれているのだろう。

    私もその一端を担っているとはいえ、私のしていることは金銭の援助でしかない。

    それを少し寂しいと思うが、自分の決めたことだ。

    それに、勝手にこんなことを決めてはジュディも呆れるだろうが、私は私がジョン・スミス氏であることを口には

   出さないかわりに、自分がジョン・スミス氏であるかもしれないと思われても構わないことにした。
    バレてしまったらその時はその時だ。

    今だって、もう彼女に知られてしまったのかもしれないのだから、悩むだけ無駄というもの。
    とはいえ、ジュディはジョン・スミス氏を年寄りの評議員だと思い込んでいるので、それが目くらましになるのかも

   しれない。

    すべては神のみぞ知ることで、私は思うままに行動しようと思う。



    

    






   



















  
























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