1911年6月4日(日)
    先を越された、と思った。

    ジュディからの手紙が届き、彼女がマクブライド家から夏休みを彼らの山荘で過ごすよう招待されたというのだ。

    これが他の者の招待ならば、まだしも受けるようにと沈黙するが―私が何も言わなければジュディはそれを肯定

   と受け取るからだ―マクブライド家だけは駄目だ!

    私の考えるに、ジミー・マクブライドはジュディに対して特別の感情を持っているようなのだから。

    もちろん、ジュディも年頃の娘なのだから、誰かに恋するようになることもあろう。

    だが、まずは自身がなすべきことに専念するのが先ではないか?

    ただでさえ学業と小説家になるための勉強で時間が取られているのに。

    いっぺんに三つも四つも物事を掛け持っていては、どれかを疎かにしてしまいかねない。
    目下、必要でないことからは遠ざけるのが後見人としての務めだろう。

    今回はグリグスに代筆してもらって、私がその招待を快く思っていないことを伝えるつもりだ。

   











   



















  
























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