1911年9月11日(月)
     帰ってきた。

     結局日記は書けなかったので、何があったかだけ、書き残しておこうと思う。

     ・山にキャンプに行った。と言ってもテントは持っていけなかったので、午後から昇って夜に戻った。
      焚き火で晩御飯を作り、星を眺めたりした。

      途中で森を通らなくてはいけないので、ジュディは怖がるかもしれないと思ったが、話をしている間にすっかり

      通り過ぎてしまった。

    

     ・朝から遠くまで散歩に行ったら、途中で大雨になった。走って帰ろうと思ったが、家までは息がもたないから
      と、途中からはゆっくり歩いていった。二人ともずぶぬれで、靴は泥だらけ。泥はねは背中まで届いていた。
      リジーは大いに取り乱し、たくさんの小言をくらった。

    

    ・夏休み中にジュディが夢中になった作家はスティーブンソンだった。私も子供の頃は夢中になって読んでいた

    口なので、連日のように航海と海賊の話をして過ごした。



    ・日曜日。天気があまりにもよかったので、教会に行くのをやめにして釣りをした。

     リジーがあまりにも熱心だったので、彼女を騙すような形になってしまったのだが。

     この日の釣果はあまり良くなかった。私は小さい魚が4匹だけ。ジュディは亀を一匹しかつれなかった。

     さすがに亀は食べられないので、すぐに放してやった。

     それから夕方にはドライブをした。



    ・出版社に送った原稿が返却されてきた。私が郵便物を受け取ったのは幸いだった。

     彼女の現在の実力というものを測ることができたから。

     結果としては、芳しくない。私が考えるに、彼女は自分の書きたいものと書けるものの区別がついていない

    のだ。まずは、書けるものの数をこなしてみたら良いのではないかとアドバイスしてみた。

     ものの勢いでまだ送っていないものも持ってこさせたが、その中の一編はまあまあだと思えたので、それだけ

    は雑誌社に送らせてみた。私が滞在している間には返事がこなかったが、そのうち手紙に書いてくるだろう。





  
























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