1912年1月2日(火) ジュディからの手紙が届いた。クリスマスプレゼントは気に入ってもらえたようである。 我ながら少し多かったかと思ったが―全部で7つだ―こんな時くらいにしか贈り物を受け取ってもらえないと いうことは嫌というほどわかっているので、遠慮はしないことにしたのだ。 そして意外なことに、ジュディからも贈り物が届いた。彼女はスミス氏を年寄りだと思っているので、使うには 抵抗があるのだが、やはり嬉しいものだな。 そのジュディだが、今頃はジュリアの家でパーティに忙殺されていることだろう。我が姉上は華やかな席が大好 きであることだし、そろそろジュリアを本格的に社交界に出そうとするはずだから。 私はそういった席は好まないので、頃合を見て訪問するつもりだ。さほど長くジュディと話すことはできないだろう が、仕方あるまい。 4日(木) ジュディに会った。内輪だけの茶会の席ならまあ良かろうと思ったのだが、相変わらず居心地の悪い家である。 彼女は少し疲れた様子だった。あんなに大人しいジュディを見たのは初めてだな。 言葉も表情もいつもよりずっと抑えられており、心からの笑顔も出せないでいた。ペンデルトン一族に対しては 懸命な対応ではあるが、ジュディはさぞかし苦痛だろうと思う。 なにしろ彼女はマクブライド家を家庭の範として好んでいるのだ。どう考えてもあの家が彼女の好みに合うわけ がない。しかしクリスマス休暇だったのがせめてもの慰めだ。もうすぐ終わるのだから。 そうそう、気がかりだったジミー・マクブライドのことだが、彼女から聞き出すことができなかった。会話の中に件 のパーティの話が出なかったのだ。私の方から話をふれば、なぜ知っているのかということになり、具合が悪い。 しかし、ライバルと比べてみなければ、私がジュディの中でどの程度の地位を占めているのかがよくわからない ではないか。もちろん、一番はあしながスミス氏であろうことは疑いもしていないが、だからといってスミス氏へ のポイントが私に加算されるかは別の問題だろう。 彼女が想像しているスミス氏よりずっと若いとはいえ、年が離れているのは否めないし、なにより、私は自分がス ミス氏であることを隠したままジュディと親しくなってしまった。 こういった隠し事は得てして不信を抱く原因にもなりかねない。 もういっそのこと、彼女にスミス氏の正体を明かしてしまおうかと考えてみた。だがまあ、結論として、それはやめ ておくことにしたのだが。私は公私混同はしたくない。 これまで援助してきた男の子たち、それに今後援助するであろう少年少女たちとジュディの扱いに差があっては ならない。彼女が独り立ちするまでは…作家としてやってゆけるようになるのが先か大学を卒業するのが先か、 微妙なところではあるのだが、それまではこれまで通り、影から見守る立場を貫こう。 |
* ジュディからの贈り物は具体的に書いていなかったので、よくわからないのです…
でもスミス氏をお年寄りだと思っているジュディなので、色とか柄が年配向きなのかな、と想像しましてああなりました。
ちなみに、ジャーヴィスが贈ったクリスマスプレゼントというのは、
毛皮の襟巻き、首飾り、絹のスカーフ、手袋、ハンカチ、本、お金入れ(財布?)の7種類です。
…やりすぎだよね^^;