1912年1月13日(土) ジュディからの手紙が届く。内容はクリスマス休暇のことだった。 楽しめなかったわけではないが、やはり息がつまる思いがしていたらしい。 その反動もあるだろうが、彼女が自分がどれだけ大学生活を愛しているかを改めて自覚したようだ。 書物や勉学、規則正しい生活というものは、若さのエネルギーに溢れる頃には退屈で味気なく、いつまでも続く 拷問のように思うものも多いというのに―私はそうだった―彼女はその生活が華やかな都会よりも性にあってい るという。それに、大きな幸せではなく、ささやかな喜びを見出すことが大切だと臆面もなく記していた。 それを青臭い、と思う気持ちもないわけではない。だが、人は年を取れば取るほど、そういう思いを忘れてしまう。 斜に構えて世の中を見るようになってしまい、単純すぎるがゆえに持続させることが難しいその想いを自らの手 で潰してしまうこともあるのだ。 ジュディは決して無垢なだけの子ではない。ある意味では同じ年頃の子よりもずっと現実を見ているし、悲しいこ とに背負った苦労も人一倍多い。 それでも、彼女のこの思いが消えてしまわないように、私は祈りたい。 |
エー、実は原作でこのページと対になる部分にはジャーヴィスが社会主義者だ(と家族親戚間で思われている)ことと、
ジュディが自分は右派社会主義者だとわかった、という内容がありまして…。
ぶっちゃけ、春日は社会主義というものに良いイメージを持っていないのでどうしたら良いのかと困惑することしきり…。
ざっと社会主義の定義のようなものを調べたところ、社会主義=共産主義というわけではないということだけはわかりました。
が、正直、私には手におえない…。
と、いうわけで、この回の手紙が文庫では4ページちょっとあるのですが、こんなに短くなってしまったのです。