1912年2月10日(土) こうなることは時間の問題だと自分でも思っていたが、とうとうやってしまった。 私は、つまり、ジュディに手紙を書いてしまったのだ。 もちろん、あしながスミス氏として返事を書いた、というわけではない。 J・ペンデルトンの名で送ったのだ。 個人的には友人同士だと言えるであろうものの、私はジュディにとって友人の叔父でもあるのだ。 この微妙な関係を思えば、おそらく彼女もJ・P氏がその手紙に込めた想いをよもや読み間違えるわけはないとは 思うのだが、一体どのような返事がくるのか予想もできないだけに、戦々恐々としているというのが本当のところだ。 ああ、未来の私よ!再びこの日記を読み直した際に、過去となった自分の行動をどのように眺めやるのだろうか? 無用の心配だと微笑ましく思うのだろうか? 馬鹿げたことをしたと罵るだろうか? どんなささいな手がかりでも良いから、今の私は切に欲しているのだ。 2月13日 ジュディからの手紙が届いた。(これはスミス氏宛てである) 日付からすれば、私の手紙とは入れ違いになっただろう。 内容は手短なものだ。 試験期間中なので、それが終わるまでいつものような手紙が書けない、ということだった。 |